「電話が苦手」20代は75%…チャットやAIで負担軽減も

藤森祥平キャスター:
“電話恐怖症”皆さんはどう思いますか?会社・プライベート関係なく、実は電話の通話回数は、社会全体でも年々減っています。電話の取り次ぎサービスが2023年に行った調査では、電話対応への苦手意識が、20代で7割以上、全体でも約6割が「電話に苦手意識を持っている」と回答しています。

【電話への苦手意識】調査:ソフツー
全世代:58%
20代:75%
30代:64%
40代:56%
50代:44%
60歳以上:28%

小川彩佳キャスター:
新入社員の時、アナウンス部の電話対応は新人の仕事でした。先輩からの視線の中、ものすごくプレッシャーで、定型文を何度も練習しました。

藻谷浩介さん:
私は昭和のおじさん世代ですが、電話は嫌でした。得意な人はいないのではないでしょうか。今の人も苦手と言いますが、僕らも苦手でした。失敗しながら、10年くらいかけてちょっとできるようになったかな?という。

トラウデン直美さん:
私自身は電話対応をしたことがありませんが、たしかに仕事での電話は、急かされたり、クレームなど、毎回プレッシャーのかかる内容がほとんどだろうなと思うので、苦手意識を持ってしまう気持ちもわかります。

藤森キャスター:
電話対応が苦手な理由として、▼正しく答えられるか不安、▼上司への取り次ぎも緊張する、▼集中力が途切れて効率が悪い、という声もあります。

電話対応について、新しい取り組みをしている企業もあります。

デザインスクールを運営する「日本デザイン」では、かかってきた電話を自動音声で対応、録音した内容をAIが解析し、担当者に伝えるというシステムを2025年から導入し、効率化と負担軽減を図っています。

また、ビジネスチャットツールを開発する企業「kubell(クベル)」では、電話を取る=作業中断という考えのもと、社内やり取りは基本チャットを利用したテキストコミュニケーションにしているそうです。どうしても通話が必要な場合は、チャットで「いつ電話するか」を事前にとり決めているそうです。

藻谷浩介さん:
私は15年ほど前から、仕事の連絡はすべてメールで行っています。私自身はメール大好き人間ですが、電話しないとどうしようもないことが多々あります。

単に用件だけではなくて、一緒に悩んだり相談してほしい、どうにもならないけど一緒に困ってほしい時もあり、電話で話さないとストレスが溜まる時もあります。クレーマーがいて困るのはわかりますが、若い人でも「口で話さないとこの会社とは付き合いを辞めよう」と思う事も十分あり得るので、要注意だと思います。

トラウデン直美さん:
社内の連絡に関しては、ほかに解決策があると思いますが、クレーム対応に関しては、強い語気などを軽減させるような技術も出てきているそうなので、期待したいと思います。

藻谷浩介さん:
若い人に言いたいのは、年寄りも失敗してきています。失敗は成長のチャンスです。最近の世の中は、失敗を許さない傾向がある。失敗こそが経験なので、電話で失敗してもいい。お客さんも、新人が対応していることを考慮して、怒るのをやめませんか?とも思います。

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〈プロフィール〉
藻谷浩介さん
株式会社日本総研主席研究員 
NYコロンビア大学ビジネススクール卒業

トラウデン直美さん
Forbes JAPAN「世界を変える30歳未満」受賞
趣味は乗馬・園芸・旅行