「コメを買ったことはない」などと発言した宮崎県選出の江藤拓農林水産大臣が、21日朝、石破総理に辞表を提出し、受理されました。事実上の更迭となります。

また、江藤農水大臣は次期参院選への影響も考慮し、自民党宮崎県連会長を退任することも明らかにしました。

(江藤拓農水大臣)
「ただいま石破内閣総理大臣に辞表を提出してまいりました」


21日朝、江藤農水大臣は官邸を訪れ、石破総理に辞表を提出し受理されました。

江藤農水大臣は、今月18日、佐賀県で行われたセミナーで「コメを買ったことがない。支援者がたくさんくれるので」などと発言。
コメの価格が高止まりするなか、与野党や世間からは「不適切だ」などと批判が殺到しました。


(江藤拓農水大臣)
「所管の大臣として極めて不適切な発言をしてしまった。このことを改めて国民の方々に心からおわびを申し上げたいと思います」


当初、江藤農水大臣は辞任を否定していたものの、20日、立憲民主党など野党5党は、更迭を求める方針で一致し不信任決議案の提出を検討。
衆議院では与党より野党の方が多数を占めるため、不信任案が提出された場合、可決される見通しとなっていました。


江藤農水大臣は辞任の理由について「トップを務めることが適切であるかといえば、私ではいけないのではないかという判断を自分自身でした」などと説明しています。



江藤農水大臣の後任には、自民党の小泉進次郎前選挙対策委員長が任命されています。

(江藤拓農水大臣)
「(米価について)なかなか結果が出ないことは本当に自分としても心苦しいというか、非常に焦りも感じ無念な思いはあります。後任の大臣にしっかり私の考えをお伝えし、私の思いもくんでいただいて、政策を前に進めていただきたいとそう思っています」


事実上の更迭となった江藤農水大臣の辞任に県民は・・・

(宮崎2区の有権者)
「今回の発言からすると(辞表提出は)妥当かなと思う。庶民の気持ちが分かっていないような感じ」
「もってのほか、あんな発言は。大人げない。(辞めて然るべき?)そうですね」
(県民)
「できるだけああいう発言は控えていただきたかったかなというのが率直な意見ですね」
「大臣だったのに。宮崎が誇る大臣だったのに。本当にあれでは許せませんよね」

延岡市にてインタビュー
延岡市にてインタビュー
宮崎市にてインタビュー
宮崎市にてインタビュー

一方、続投を願っていた県民からは惜しむ声も聞かれました。

(宮崎2区の有権者)
「応援している立場だったので、辞表までしなくてもいいのかなと」
「どう考えているのか分からないが、もうちょっと力になってもらったほうが良かった」

延岡市にてインタビュー
延岡市にてインタビュー

さらに、延岡市で30年近くコメを育てている農家からは。

(コメ農家 松田純二さん)
「米高騰の折に軽々しい言葉で、消費者・生産者も含めて発すること自体、思慮がなかった。現場見えていない、その一言」


また、江藤農水大臣は、次期参院選への影響を考慮した結果、今月24日に開かれる県連大会をもって自民党宮崎県連会長を退任すると明らかにしました。