古川さん:
「設計図を僕たちが描いたときに、ここは果たして切れ端で補うことができるのか分からない状況で進めてきたので」


ファーペンでは実現できそうなアイテムを選び、エミネント側に “試作品の製作” を依頼。そのアイデアは工場スタッフの製作意欲をかきたてました。


エミネントスラックス 裁断部 白石 美子さん:
「私はモノづくりが好きなので、どんなものができるのか…ワクワクというか面白いです」

こうしてできたのが4つの製品──
いずれも切れ端で作っているため『世界に1つしかないデザイン』となっています。


竹下 玲司さん(1年生):
「こちらはアウトドアチェアです。デニムの切れ端から作っているのでとても長持ちして使うことができます」


山口 一聖さん(1年生):
「こちらはタブレットケースです。片方には先程のようにタブレットを入れることができて、もう片方に充電器やイヤホンなど入れることができるのでかなり便利な仕様となっています」


鶴山 すみれさん(2年生):
「このサコッシュは見た目がかわいいだけでなく、中のポケットもたくさんついていて利便性がすごく高くなっている商品です」


ムニーズ・アドリアーネ・ソアリスさん(1年生):
「こちらはマウスパッドです。磁石が中に入っているんですけど、机の下などに貼り付けて、場所を取らない仕組みになっているので利便性のあるものになっています」

■ SDGsの観点からも「いい活動」今秋 商品化へ

結成から3年目、起業に向けて具体的に動き出したのは今回が初めてです。
学生も手ごたえを感じています。


森永 凛奈さん(1年生):
「授業で学んだことを生かせる場が欲しかったというのがあって、起業サークルに入りました。私自身SDGsの観点からも、この“切れ端商品” はすごくいい活動だなと思うので」


ファーペンでは試作品の完成に合わせ、9月29日、関係者を集めた発表会を開きました。
アイデアを出してくれた高校生・大学生を表彰したほか、実際に販売する際の具体的な戦略なども発表しました。


梶原 漱己さん(1年生):
「この商品のターゲットとしましては、主にアウトドアへの活動を普段から行われている方を考えており、大型スポーツ店や釣具店での販売を行いたいと考えています」


岩崎 安里さん(2年生):
「比較的安価な値段設定をすることで、メインの商品の“ついで買い”といった形でお求め頂けるお客様も多いのではと考えています」


現在、それぞれの商品の値段設定など準備を進めていて、早ければこの秋にも販売を始めたい考えです。


エミネントスラックス 前田 周二 社長:
「廃棄するものを極力少なくしていくのが『企業の使命』だとは思っていますので、うまく若い方々の知恵とか行動が一緒になって、ここまできたのかな」


古川さん:
「今回の商品化を通して収益をあげたりして 自分たちの活動費にもつなげて、さらなる新しい事業とかもサークル内で考えて取り組んでいきたいなと思っています」


廃棄物を減らしたい企業側と、実社会の経験を積みたい学生達。
互いのニーズがマッチした今回の取り組みは、持続可能な新たなビジネスモデルとなりそうです。