備蓄米放出の優先枠を設定も…「事務作業がひとつ増えると大変」

コメ以外の人気が高まるなか、農水省は16日、備蓄米放出の改善策を発表。

より早く消費者に届けるため、「町のお米屋さん向け」「スーパー向け」といった優先枠を設定しました。

集荷業者から卸売業者を通さずに直接、小売業者に販売するものです。

「お米屋さん優先枠」で、備蓄米は行き渡るのでしょうか。

創業73年の「飯塚精米店」(東京・目黒区)では、先代が娘に持たせたお弁当のおにぎりが学校で「美味しすぎる」と評判になって始めた、手作りおにぎりが人気です。

25年近く守り続けてきた130円の価格も、コメ高騰の影響で、ついに180円に…。

「お米屋さん優先枠」で入札するためには、集荷業者が備蓄米をどの店で販売するかなどの販売計画を提出する必要があります。

飯塚精米店 3代目 飯塚隆夫さん
「今(妻と)2人でやってるんで、そこに事務作業がひとつ増えると大変になるかもしれないですけど、頑張ってやらないといけないかもしれない」

さらに農水省は16日、備蓄米の流通過程の経費や利益を発表。

例年のコメ60キロあたりの卸売業者の経費・利益は約2200~4700円ですが、今回の備蓄米の卸売業者の経費・利益は60キロあたり7593円。例年より、2900~5400円近く経費や利益を上乗せしているといいます。

江藤拓 農林水産大臣
「あまり攻撃的なこと言いたくないので、具体的数字を避けますが、国民の財産である備蓄米を放出している。通常の米のディールとは違うんだということをぜひ(卸売業者に)ご理解いただいて、できる限り企業努力をしていただければ」

今後、コメ価格はどうなっていくのでしょうか。

コメの流通に詳しい 流通経済研究所 折笠俊輔 主席研究員
「6月の中下旬ぐらいには下がっている。とは言っても、下がっても多分3000円台後半」