全国で過去最多の感染者数を更新している「百日せき」。岡山県内でも患者が急増していて、県が注意を呼びかけています。症状、そして有効な感染対策は。専門家に聞きました。
感染が急拡大している、「百日せき」。その名の通り激しい咳が長い期間続く、細菌性の感染症です。

岡山県によりますと、きのう(8日)時点での県内の累計患者数は385人。過去最多となった2019年の1年間の感染者数に迫る勢いです。主な感染経路は、咳やくしゃみなどによる飛沫感染や患者との接触。どの年齢でもかかる可能性はありますが、乳児期までの子どもの感染には特に注意が必要だと、岡山市立市民病院の今城院長は警鐘を鳴らします。

(岡山市立市民病院 今城健二院長)
「乳児期の子は呼吸機能が未発達なので、せきが続くと息を吸っていないようなことも起こり得る。無呼吸になって意識がなくなったり」
重症化のリスクもある「百日せき」です。一般的な「風邪」との見分け方はあるのでしょうか。

(岡山市立市民病院 今城健二院長)
「感染初期は症状だけの見分けは難しいと思います。最初の2週間はカタル期といわれる風邪症状が続く日が多い。そのあと、2,3週間が痙咳期。立て続けにコンコンコンと続くようなせきが出てくるのが特徴」

風邪と比べて「せきが激しく出る」「症状が長引いている」といった違和感が少しでもあったら、すぐに呼吸器内科などを受診してほしいといいます。

一方、「百日せき」の予防に有効とされているのがワクチンです。ただ今城院長は、ワクチンには一定の効果はあるとしながらも、「過信せず基本的な感染対策を徹底してほしい」と話します。

(岡山市立市民病院 今城健二院長)
「ワクチンを接種したから100%というような、かつての神話のようなものはなくなった。手洗いとうがいはしっかりして、マスクは不特定多数の方といる時には考えていただく」

重症化リスクの高い子どもに感染させないために、大人にも対策が求められています。
(スタジオ)
ーあらためて「百日せき」の予防についてまとめました。まず、生後2か月以上の子どもが接種可能なワクチンがあります。県は、「百日せき」ワクチンを含む五種混合のワクチン接種を呼びかけています。

ーさらに、手洗いやうがい、マスクの着用といった基本的な感染対策も有効です。岡山市立市民病院の今城院長によりますと、GW期間中にさらに感染が拡大している恐れもあるということですので、引き続き、大人も子どもも注意が必要です。