岸田総理が、新たな経済対策を発表しました。しかし物価高騰や歴史的な円安など、お金に関する不安というのは、この先もなくなるわけではなさそうです。
そこで、不安解消を目指し「お金のギモン」を時間の許す限り専門家に聞いていきます。

■将来…「お金の不安」90%以上

南波雅俊キャスター:
政府としても異例な規模の経済対策を発表しましたが、その背景にあるのは、やはり物価の高騰、歴史的な円安があります。そんな中で国内のお金に関する不安が高まっています。全国の20歳から59歳1000人の男女を対象にマネーキャリアが調査した「将来何が不安?」というアンケートです。自由回答だったのですが、「お金の不安」という声が91.4%と最も多かったのです。ちなみに「健康や病気の不安」が88%。これをさらに上回って、お金が不安だという声が多くありました。

ではこのお金の不安の内訳を細かく見ていきます。最も多かったのは、「老後の資金や年金」に対する不安で43.4%の方、そして2番目には「収入が増えない」という声が15.8%。3番目は、物価の高騰と直結している近い不安かもしれませんが「毎月の家計」という声が9.4%ありました。

■老後の資金 年金で生活できる?

まず、最も多かった「老後の資金・年金」ですが、特に若い世代で「将来年金はもらえるのか」「もらえるとしてもどれくらいもらえるのか」そして「年金だけで生活できるのか」という声。まさにそこと関連していますが、老後、仮に一般的な夫婦が人生100年時代、30年生きるとすると2000万円が不足するといういわゆる老後2000万円問題もありましたが、「絶対に2000万円なんて貯められない」という声もありました。

ホラン千秋キャスター:
森永さん、特に皆さん老後を一体どうやって資金を貯めればいいかなど、不安が多い方が多いようですね。

経済アナリスト 森永康平さん:
特に老後2000万円問題はすごく一時期、センセーショナルに報道されたりもしたので、あまり金融とか詳しくない人も、2000万円ないと貯めておかないと老後生活できないんじゃないかという不安を持ってる方も多いと思います。ただ、2000万円問題ってすごく罪深い報道だったなと思っていて、これは2017年の家計調査をもとにシミュレーションした結果ですけど、例えば2020年のデータでシミュレーションすると、別に1000万円いらないという結果になるんですよ。なので、何を基準に計算するかによって、結構振れてしまうので、あまり過度に2000万円ないと絶対駄目だというわけではないことは理解した方がいいと思います。

ホランキャスター:
それぞれの家庭によって、必要な資金は変わってくるということですね。

経済アナリスト 森永さん:
そうですね、どういう職業についていたとか、どれぐらい貯金があるかとか、様々な状況によって違うので、大事なのは自分の場合だとどれぐらいもらえるのか、そして自分は今貯金がいくらあり、毎月これくらい使うつもりなんだというのを知っておく方が大事だと思いますね。

井上貴博キャスター:
年金制度についても伺いたいのですが、やはり世界が経験したことがない超高齢化社会に日本がこれから突入するとなると、今、現役世代が納めて、多くの高齢世代を支えている今の制度は今後、年金制度自体どうなっていくべきと考えますか?

経済アナリスト 森永さん:
破綻みたいなことはよく言われますが、今すぐそれを考える必要ないかなと。ただし、厚労省も予測を出してますけど、46年度時点で19年度比で3割くらい厳格になってしまうのではないかという試算は出てますから、そういう意味で言うと、今、年金部会が議論しているような納める期間を長くするとか、厚生年金の一部を財源にあてるとか、今まさにそれを議論している最中だと思いますね。