インドとパキスタンの係争地カシミール地方で起きたテロ事件を発端とするインドの攻撃を受け、パキスタンのシャリフ首相は「血の一滴まで復讐する」と報復を宣言しました。

インド軍は、カシミール地方のインド側支配地域で観光客ら26人が死亡したテロ事件への報復として、イスラム過激派の拠点だとするパキスタン側の複数の地域を攻撃し、作戦の映像を公開しました。

インド側は「抑制的な対応だった」としていますが、パキスタン軍はインドの攻撃でこれまでに子どもを含む31人が死亡し、57人が負傷したと発表しています。

パキスタンメディアによりますと、シャリフ首相は7日のテレビ演説で、「インドは侵略の代償を払わなければならない」と強調。「血の一滴まで復讐する」として報復を宣言したということです。

今後のパキスタンの出方次第では、大規模な紛争に発展する可能性も否定できないと専門家は指摘します。

防衛大学校 伊藤融 教授
「本気でエスカレーションさせてインドと戦うことは避けたいのが(パキスタンの)本音だが、パキスタン国民の世論もある。弱腰と見られてしまうと、パキスタン国民の批判の矛先が軍に向かいかねないということは十分に意識している」

衝突の拡大が懸念される中、国際社会は自制を求めるなど、両国への働きかけを強めています。