アメリカのトランプ大統領は、FRB=連邦準備制度理事会のパウエル議長について「残りの任期は短い」と指摘し、任期途中の解任を目指さない考えを改めて表明しました。

トランプ大統領は4日に放送されたNBCテレビのインタビューの中でFRBのパウエル議長について解任の考えがあるか問われ、「彼の残り任期は短い。どうしてそんなことをする必要があるのか」と述べ、任期途中の解任を目指さない考えを改めて示しました。

トランプ氏は先月にいったん、「パウエル氏はできるだけ早く退任すべきだ」と表明しましたが、FRBの独立性が脅かされることへの不安から金融市場が混乱したことを受けて「パウエル氏を解任する考えはない」と発言を軌道修正していました。

パウエル議長の任期は来年の5月までで、トランプ氏は秋にも後任の議長を指名する見通しです。

一方で、トランプ氏はFRBは政策金利をただちに引き下げるべきだとの考えも改めて示しました。

トランプ氏はパウエル議長が利下げをしない理由について、「私のファンではないからだ。私が彼を堅物だと思っているから、彼は私のことが好きではないんだ」と主張しています。

FRBは6日と7日に政策金利を決める会合を開きますが、市場では政策金利の引き下げを見送るとの見通しが大勢です。

実際に利下げを見送れば、トランプ氏が一段と圧力を強めることが予想されます。