働き方や賃上げに関するニュースでよく耳にする「連合」という組織。労働者だけでなく、政界でも大きな存在感を示すその理由を深掘りします。
政界にも影響力を持つ「連合」 その歴史や活動内容とは?
山形純菜キャスター:
賃上げのニュースなどで耳にする「連合」という組織。会長を務める芳野友子氏はなぜか今、浮かない表情だといいますが、その理由について詳しくみていきます。

まず、連合とはどのような組織なのかというと、日本最大の労働組合の全国組織です。正式名称は「日本労働組合総連合会」で、1989年に発足し、組合員数は約688万人です。
連合は、賃上げや労働環境の改善などを経営者側に要求しています。こういった働きは多くの方が知っていると思いますが、連合には、政治の世界でも大きな影響力があるんですよね。

TBS報道局政治部 新田晃一 記者:
そのとおりで、連合のもう1つの目標は「二大政党制で政権交代可能な政治状況を実現する」というものです。
1993年の細川連立政権では、細川護熙総理(当時)と連合の初代会長である山岸章氏が握手している写真が残っています。2009年の民主党政権時にも、鳩山由紀夫総理(当時)と連合5代目会長の高木剛氏が握手しており、こうした政権交代の裏には、連合の大きな存在感があったといわれています。
井上貴博キャスター:
やはり政権交代を成し遂げたという功績が大きいと思いますが、二大政党制はあまりまだ根付いていません。
連合の組合員も、ピークは800万人ぐらいいたそうですが、今は700万人を切っています。連合の選挙における影響力というのは、どのくらいのものなのでしょうか。

TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
労働組合に入る人はだんだん減っていますし、そもそも連合は組織労働者の集まりです。そうすると非正規の人を束ねられないので、「連合という組織は既得権益の人たちじゃないか」というふうに見られ始めています。
そこはやはり連合も、非正規の人にいかに輪を広げるかを最大の課題としており、いろいろな取り組みをしています。
井上キャスター:
たとえば、どのような取り組みでしょうか?
TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
非正規の人たちに地域ごとに新しい労働組合に入ってもらったり、経営者にもそういう理解を求めたりと、地道に運動しています。
出水麻衣キャスター:
未だに政界との強いパイプは維持していると理解してよいのでしょうか?
TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
選挙では実際に投票するだけではなく、選挙運動を手伝ったり、事務所で応援したりすることにもなり、その手足になるのは連合の組合です。
とりわけ、日教組や自治労といった組織労働者は非常に強いので、特に地方ではまだまだ影響力があります。