愛媛県内の書店は、2014年には154店舗ありましたが、ここ10年で3割減少しています。また、コンビニでは、雑誌の売り上げが激減。今年2月に卸業者がローソンやファミリーマートとの取り引きを終了しました。この影響で、ローソンでは愛媛県内209店舗のうち、およそ40店舗で雑誌コーナーが無くなりました。一方で、本に出会う機会を提供しようと、新たな取り組みも始まっています。
(記者)「こちら一見普通のローソンに見えますが、中に入ってみると本がずらりと並んでいます」
今月1日に愛媛県内子町にオープンした「ローソンマチの本屋さん」コンビニ大手のローソンが手掛ける全国14店舗目、四国では初めての書店併設型で、通常の店舗の1.3倍あるスペースの3割がブックコーナー、雑誌・コミックから実用書まで、およそ1万2千冊を取り揃えています。
(ローソン内子五十崎インター店・吉本和之店長)
「高齢のお客さんもいるのでネットで注文するのが難しいので、実際に店に来て本を手に取って買ってもらえるのが当店のメリット。本を読んでコーヒーをゆっくり飲みながらゆっくりしてもらえる憩いの場になる店になったらと思う」
2021年に始まった「ローソンマチの本屋さん」は書店のない地域を中心に出店しています。内子町も去年9月、こちらにあった町内唯一の書店が閉店していました。
(客)
「隣りの大洲市とか少し離れたところまで買いに行ってたが身近にできて少し手軽に行けるようになった」
「実際に行って確かめてから買いたいので手に取って見れるのが嬉しい」
「携帯で読んだら一番早いが読んだ気にならない。紙でしか」
こうした事態は内子町に限った話ではありません。出版などに関する調査・研究を行う、出版文化産業振興財団によりますと、書店が一つもない自治体は県内では内子や久万高原など4つの町、全国でもおよそ3割あるということです。
活字離れが進む中、本を通じて交流を深めようという試みも。西予市内のスーパーでは去年2月、店の一角に住民らが持ち寄った本を貸し借りできる「まちライブラリー」を設けました。住民などから持ち込みが相次ぎ今では1000冊近くに。読書スペースにはおもちゃなどもあり、夕方や週末には保護者の買い物を待つ子どもたちなどで賑わうそう。
長引く出版不況。それでも、1冊の本を求める人たちと生き残りのため、様々な模索が続いています。