埼玉県八潮市の道路陥没事故からきょうで3か月です。転落したトラック運転手の捜索再開に向け、現場では“2つの穴”を掘る作業が最終局面を迎えています。

報告
「最初にできた穴がどこにあったのか分からない状態です」

事故からきょうで3か月が経ちました。今年1月、埼玉県八潮市で道路が陥没し、走行中のトラックが転落。男性運転手(74)は今も見つかっておらず、下水道管の中に残されたトラックの運転席部分にいるとみられています。

現場では、度重なる崩落などが発生し、男性運転手の捜索は難航しました。

埼玉県 大野元裕 知事(今月24日)
「この事故が起こって数時間で救出をする。キャビン(運転席部分)についてもアクセスができるということが最善だと思っていた」

先週24日、県は下水をう回させるためのバイパス工事を完了。すでに稼働し始めていて、捜索を妨げていた下水道管の中を流れる下水は減りつつあります。

記者
「陥没事故の現場では今も重機を使った作業が行われています」

男性運転手の捜索に向けて、県は今“2つの穴”を掘っています。

1つ目がこちらの白いシートがかぶせられた部分。残されている運転席部分の真上から穴を掘り、下水道管に向かうもので、運転席部分ごと地上に引き上げることも検討されています。

そして、2つ目がショベルカーが置かれているこちらの部分。陥没した穴側から掘削し、歩いて運転席部分に近づけるようにするものです。

関係者によりますと、2つの穴の掘削作業を終えたうえ、下水道管の中が乾いた状態になり次第、捜索活動を再開するということです。

一方で気になるのが、現場が元通りになる復旧の「時期」です。

八潮市民
「あちこちの道路が閉鎖されているので、それが困りますね」
「1週間でも2週間でも早く(工事が)終わって欲しい」

県は、壊れた下水道管を修復するとともに、新たな下水道管をつくる「複線化」を目指していますが、この工事が完了し本格的に復旧するまで5年から7年かかかる見通しだということです。