ふるさとに戻れない遺骨

長安寺で預かっている遺骨と説明する横山住職(画像を一部加工しています)

横山住職「こちらに別院を構えて以降、このように、骨棚を構えまして、納骨を津島にすることを迷ってらっしゃる方のお骨をお預かりしています。数はだいたい前後あるんですけど、いまは80体くらいのお骨をお預かりしているところでございます」

帰還の見通しが立たないことや、高い放射線量への不安などから、津島に納骨できずにいる骨を預かっています。その多くが、ふるさとへ戻ることを望みながら亡くなっていった人たちです。

横山住職「やはり、本来の形であれば、それぞれのご先祖様のもとにこのお骨をいただき、津島の地に帰っていただく。これが理想だとは思うんですけども、除染等の状況が好転することを願って、それぞれお檀家さんが納得を決断を下すときまでここでこうやって安らかにお骨を安置し、お預かりをしてねんごろにご供養をお勤めしたいと思います」

こうした中で、横山さんは今回、本堂の再建を決めました。

お檀家さんのために…私も「津島の民」

長安寺 福島別院


横山住職「津島に長安寺の本院がないということに対して、私もとても不安を抱いているというか。だから一番は自分のためとかではなくて、お檀家さんのそういった不安を取り除く。少しでも取り除くためにっていう思いが強いんですけど、私も同じ津島の民であって、私も同じように不安を抱えているものでありましたから…」