伝統の揚げ浜式製塩を受け継ぐ石川県珠洲市の道の駅「すず塩田村」では、地震と豪雨の二重被害を乗り越え、25日およそ7か月ぶりに塩田に海水をまきました。
一瞬の煌めきを放ち、塩田に染み込んでいく海水。珠洲市清水町の道の駅「すず塩田村」は、2024年1月の能登半島地震で被災したあと、修復工事を経て3ヵ月後の4月には一度塩作りを再開したものの、9月の豪雨で塩田に土砂が流れ込み、再び休止を余儀なくされました。
行政や学生ボランティアなどの支援を受け、23日ようやく土砂の撤去が完了しました。25日浜士(はまじ)がおよそ7か月ぶりに塩田に海水をまき、伝統の塩作りを再開しました。

2024年の塩の生産量は、例年の3分の1に当たるおよそ2トンでしたが、2025年はその倍のおよそ4トンの生産を目指しているということです。
道の駅すず塩田村・神谷健司駅長「やっと始められる安堵と今年も塩作りがちゃんと終わるかという緊張感と両方ある。地震前は地元住民にも作業してもらっていたが、地震後まだ帰還できてない住民もいる。けどここで塩作りを始めることによって、ニュースがその方たちに届いて、元気になるとか帰ってくる転機になるとかそういったメッセージを届けられればと思う」
道の駅すず塩田村浜士・浦清次郎さん「作業員が半分以下か、足りないぐらいですけど、なんとかみんなでがんばっていきたい」
26日からは隣接する資料館も時間を短縮して再開し、天候など条件がそろえば潮撒きも体験できるということです。