任期満了に伴う、うるま市長選挙が20日告示されます。これまでに現職と新人、あわせて3人が立候補を表明し、三つ巴の構図となっています。それぞれの立候補予定者が掲げる公約をみていきます。

人口約12万人のうるま市は2005年4月、当時の具志川市、石川市、勝連町、与那城町の2市2町が合併して誕生しました。

世界遺産・勝連城跡をはじめ、4つの島を結ぶ海中道路からは絶景が楽しめます。

うるま市長選挙にはこれまでに、現職と新人のあわせて3人が立候補を表明しています。

新人の照屋守之さんは、県議会議員を5期20年務め、自民党県連会長なども歴任してきました。今回、無所属で臨み掲げるスローガンは―。

▼新人・無所属 照屋守之氏(69)
「市民の命と暮らしを守る行政をつくる上では、保守も革新も関係ないと思う。ですから私はこれまで保守の政治家としての経験はあるが、今回は『保革を超えて市民目線で』というキャッチフレーズにしています」

主な公約として掲げる3つの政策は、物価高騰対策としてガソリン税などの減税。新たな観光政策の目玉として、アンパンマンミュージアムの誘致。そして、中部病院の現地での建て替えです。

地域の中核病院である中部病院は、老朽化により一部建て替えが必要で、「現地建て替え」か「移転建て替え」か、2つの意見があります。照屋守之さんは周辺自治会などの意向を汲んで、現地案を訴えています。

ただ今回出馬予定の3候補はいずれも「現地建て替え」を主張。しかし現市政は去年12月までは、市内の「上江洲・仲嶺地区へ移転しての建て替え」を県議会などに要請していた経緯があるため、照屋守之さんは、「現市政が口頭では考えを改めたが、その後現地建て替え要請など行っているのか疑問が残る」と主張します。



▼新人・無所属 照屋守之氏(69)
「やっぱりこれは(現市政が)『現地建て替えでいい』と言っても、現市長が県議会議員に対して、(移転案)撤回の要請をいつ出したのか。あるいは、『現地建て替えがいい』という要請をいつ県議会に出したのかということも含めて、やっぱり争点でしょうね」



現職の中村正人さんはうるま市議会議員などを経て、4年前の市長選で初当選。自民・公明の推薦を得て2期目を目指します。今回掲げるスローガンが―。

▼現職・無所属 中村正人氏(60)
「社会福祉全体を支える為に、好循環な社会づくり。要は経済と福祉の調和を図りたい」

経済と福祉の好循環社会を目指し掲げる政策が、3年連続の待機児童ゼロや居場所づくりなどの子育て支援。石川・勝連・与那城地域の街づくりを推進し、旧具志川との地域格差の是正。そして、中部東道路の早期事業化です。

中部東道路は、沖縄北インターと海中道路をつなぐ道路の構想で、那覇空港から伊計島まで、車で1時間半以上かかるところを、1時間以内に短縮し観光面や緊急搬送などの用途で期待できると話します。

▼現職・無所属 中村正人氏(60)
「うるま市には国道がございませんので、国道という位置づけをして、不動産並びに地価が上がって、経済の活性化になり、住宅地が広がっていくという部分で、大いに期待される道路になると思います」



新人の照屋大河さんは、県議会議員を5期16年あまり務めてきました。オール沖縄勢力の支持を得るなか、今回スローガンとして掲げるのが―。

▼新人・無所属 照屋大河氏(53)
「『366日市民のために』ということでメッセージを掲げています。1年365日を超えて、あと1日、もう1日。うるま市民のために、うるま市のために力を尽くしていく、というメッセージを込めてこのフレーズを使っています」

「市民に寄り添う」として、地元中小企業が市発注の事業を受注できるよう入札資格を緩和することや、沖縄自動車道沖縄北インターと石川インターの間に、新たにうるまインターを設置することなどを掲げます。そして、4つのゼロと称した子育て政策です。

県と協力しての小中学校の給食費の無償化や18歳までの医療費の無償化など、4つのゼロを実現することで、物価高による負担の軽減を図るとしています。

▼新人・無所属 照屋大河氏(53)
「直近の市議会に対して、(給食費の)無償化を求める子育て世代のお母さんたちの署名が提出されています。子育て世代にとっては厳しい今があると思っています。必死の訴えに、私は応えていきたいと思っています」



うるま市は陸上自衛隊勝連分屯地を抱えますが、自衛隊の機能強化については三者ともスタンスに違いが。

照屋守之さんは、基本的には自衛隊を容認しつつ、専守防衛を超えた機能強化については、市民の立場から意見すると主張します。

中村正人さんは、国防は国の専管事項だとして、「コメントは差し控える」としています。

照屋大河さんは、勝連分屯地へのミサイル配備や、その後のさらなる強化については「断固反対」だとしています。

また主な争点として、現職の1期4年の評価も問われます。うるま市長選挙は、20日告示、27日投開票されます。