AIが変える企業の意思決定プロセス

アクセンチュアでは、単なる業務効率化にとどまらず、企業の経営判断にもAIを活用する取り組みを進めています。保科氏は、「バーチャルCXO」と呼ばれるAIエージェントの開発について言及しました。

「CEOを支えるAIや、提案書、さらに、AIエージェント同士が対話をしながら仕事をしていくというところもチャレンジを始めています」

このシステムでは、営業や生産などの各部門を支援するAIエージェントが互いにコミュニケーションを取り、部署間の調整を行います。これにより、意思決定のスピードと質が向上することが期待されています。

人間の役割はどう変わるのか

「AIにリスクを取らせない」

AIの導入により、コンサルタントの業務の3割から4割が置き換わる可能性があるとしながらも、保科氏は人間の役割がなくなるわけではないと強調します。

AIは選択肢を提示し、シミュレーション結果を示すことはできますが、最終的な意思決定とリスクテイクは人間が行う必要があるということです。

新たなスキルと教育の重要性

AIの導入に伴い、企業内での教育やスキル開発の重要性も高まっています。保科氏は、AIをトレーナーとして活用する新しい取り組みについても言及しました。

「トレーナーが生成AIになった方が実は成長スピードが早い」と述べ、その理由として「AIであれば人間の社員にしにくい“バカな質問”もしやすい」と説明しています。