ピンチの日本側 アメリカ側の要望をよく知るチャンスとの見方も

トラウデン直美さん:
しかし、トランプ大統領のことなので、日米安保、在日米軍の話を持ち出す可能性もある中で、トランプ大統領はすぐ成果を求める人です。なかなか答えられない日本としては難しい状況ですよね。
官邸キャップ 中島哲平 記者:
ただ、赤沢大臣には権限があるわけでもなく、トランプ大統領が来ることを想定していなかったこともあり、きちんとした答えを用意していません。どうしても今回、話を持ち帰ることしかできないのが現状だと思います。
ある政府関係者の中には、トランプ大統領が交渉の場に出てくるのは「あくまでアメリカ国内に向けたアピールだと。『ちゃんとやっているぞ』『スタートさせたぞ』というのを国内にアピールするためなのではないか」という見方をしている人もいます。
日本側としてはピンチでもありますが、アメリカ側が何を望んでいるのかをよく知るチャンスでもあるというふうな見方も出てきています。
小川キャスター:
赤沢大臣は、トランプ大統領の突然の登場に対応できるのでしょうか。
教育経済学者 中室牧子さん:
私が聞いたところ、日米首脳会談のときは、石破総理が直前の時間だけでも30時間くらい外務省からレクを受けたという話を聞いています。
総理の1分や2分はすごい大事な時間で、デジタル行財政改革会議という会議で数か月に1回、総理に会いますが、そのときに与えられる時間は2分くらいです。なので、30時間もレクを受けたのかと思って、すごい驚きました。
事程左様に、事前の準備の時間も結構大事だと思います。外交とは、個人の瞬発力だけではなく、事前の分析、シナリオ作り、シミュレーションも含めて、国全体の総合力が問われているところでもあるのかなと思います。
赤沢大臣には何回か会ったことがありますが、非常に能力の高い人という印象を持っているので、ぜひ頑張っていただきたいと思います。
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<プロフィール>
トラウデン直美さん
環境問題やSDGsについて積極的に発信
趣味は乗馬・園芸・旅行
中室牧子さん
教育経済学者 教育をデータで分析
著書「科学的根拠で子育て」