長野県辰野町は、LGBTを公表している学童クラブの元支援員に対して、職員によるハラスメント行為があったとして、会見で謝罪しました。

ハラスメントを訴えていたのは去年11月に退職するまで、約半年間、学童クラブの支援員を勤めていた伊東麗奈さんです。


伊東さんは6年前、中学生の時にLGBTであることを公表し、音楽活動などを通じて「いろんな好きの形がある」などと訴えてきました。

伊藤麗奈さん:「本当に変わればなと。顔出しも実名も全部をさらけ出してやったけれど、現場では一切変わってないんだなとすごくショックでした」

訴えを受けて、辰野町の宮澤教育長と顧問弁護士はきょう調査結果を公表。

去年6月から11月にかけて、教育委員会の職員3人が5回にわたって、伊東さんの性的志向に関する発言をとがめたり、制限したことを認定し、「ハラスメント行為だった」と認めました。


宮澤教育長:「頭では理解していたけれど傷つきやすいことに思いが至らなかった。悲しい思いをさせてしまった。自分の生き方を否定されたと捉えてしまったということは残念に思います。改めて深くお詫び申し上げます」

こうした説明に、会見に参加していた伊東さん本人は…。

伊東さん:「理解していないから起こったんですよね。そこは絶対に間違えてほしくない」

宮澤教育長は研修のあり方を全面的に見直すと答えました。

伊東さんが「LGBT」を公表してから6年。

社会でも、言葉は広く知られるようになりましたが、伊藤さんは、理解は不十分だと考えています。

伊東さん:「子どもたちが当たり前にいろいろな人がいていいんだよということ、LGBTに限らず障がいも含めて、そういう人が当たり前にいていいんだよと理解できる場を設けたい。そこに子どもたちを呼べる環境を作りたい」