家庭にあるパソコン、スマートフォン、デジタルカメラなど、身近な電子機器に使われている「リチウムイオン電池」が原因の火災事故が全国で相次いでいます。環境省は今月、全国の市町村に対し、分別回収と適正処理の徹底を求める通知を出し注意を呼びかけています。
発火事故、全国で相次ぐ

ゴミ収集車でモバイルバッテリーを回収した実験映像です。(「画像」から確認できます)
リチウムイオン電池に強い圧力がかかったことで白煙が上がり、その後、発火しました。
環境省によりますと、「リチウムイオン電池」に起因する火災事故は2023年度には、全国で8,543件発生しており深刻な課題となっています。

破損・変形により発熱・発火する危険性があり、特にゴミ収集や廃棄物処理施設での火災が多く報告されています。
長崎市環境部資源循環課資源循環係 里本真一係長:
「燃やせないごみの中に入っていたものが原因でゴミ収集車のなかで発煙・発火事故が起きた」
“見落とされやすい”製品も
長崎市は現在、市役所や地域センターなどに設置した「小型家電回収ボックス」で、リチウムイオン電池を使った製品を回収しています。
しかし、おもちゃや電動髭剃りなど、一見すると電池が入っているとは気づきにくい製品が誤って捨てられるケースも多いといいます。

長崎市環境部資源循環課資源循環係 里本真一係長:
「おもちゃや髭剃りなど一見して(リチウムイオン)電池が入っていると思わないものも間違って出されます。リチウムイオン電池を使用している製品か確かめたうえできちんと分別してゴミ出ししていただきたい」
「リサイクルマーク」と「Li-ion」の表示に注目

リチウムイオン電池が使われている製品には、3つの矢印がつながった「リサイクルマーク」に“Li-ion”の表記が記されています。(「画像」から確認できます)ゴミとして出す前に、この表示がないか確認することが必要です。
専用回収ボックスの設置も検討

長崎市では今回の環境省の通知を受け、「リチウムイオン電池単体の回収ボックス」を市役所や地域センターに併設する方向で検討を進めています。県内では、すでに回収スポットを設置している自治体もあるということです。