今後のいじめ対策「いじめゼロ」より「いじめを見つける」

小川彩佳キャスター:
47都道府県の学校で講演をされたという伊沢さんは、いじめをなくすためにはどのようなことが必要だと考えますか。

株式会社QuizKnock CEO伊沢拓司:
予防はすごく大事になってきます。海外事例も含めて、いじめ防止事業と呼ばれるようなプログラムは複数ありますが、教員の多忙化がその普及を阻んでいます。そもそも、先生方が忙しいと子供の些細な変化に向き合えないということも起こります。

現代型のいじめの特徴は「加害者と被害者がすぐに入れ替わる」ということです。誰もが、被害者・加害者にもなりうるので「いじめゼロ」を掲げてもなかなか難しいです。現実的なことを考えると、いじめを「見つける」ことに焦点を置いた方がいいのかなと思います。

「いじめゼロ」は、最終的な目標として大事ですが、その前に早期発見100%を目指すような形が理想的です。そのためにこうしたアプリがあったり、法改正も行われて、より認定の基準も下がりました。周りの教員ではない大人を含めて、価値観のアップデートをしなければいけません。いじめは「ない方がいい」となってしまうと、むしろ隠蔽に繋がるので、いじめが「ある」ことを前提とした対応を考えていかなければいけません。

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<プロフィール>
中室牧子さん
教育経済学者 教育をデータで分析
著書「科学的根拠で子育て」

伊沢拓司さん
株式会社QuizKnock CEO
クイズプレーヤーとして活躍中