戦後80年、令和の「慰霊の旅」が始まります。きょう、天皇皇后両陛下は激戦地・硫黄島を訪れ、戦没者を慰霊されました。懇談した島民3世が伝えたい思いとは…

午後1時前、雨の中、両陛下が訪問されたのは、小笠原諸島の硫黄島です。東京都心から南におよそ1200キロ離れたこの島。1945年、太平洋戦争で激しい地上戦が行われました。

犠牲者は日本側がおよそ2万1900人、アメリカ側がおよそ6800人。当時暮らしていた島の住民も一部軍属として島に残り、命を落としました。

「戦後80年という節目を迎え、各地で亡くなられた方々や苦難の道を歩まれた方々に、改めて心を寄せていきたいと思っております」

両陛下は今年、沖縄や広島、長崎への訪問が調整されていて、硫黄島訪問が最初の「慰霊の旅」となります。

午後3時すぎ、両陛下が到着されたのは、国が設置した戦没者の慰霊碑。テッポウユリなどの白い花を供え、その後、拝礼。そして、柄杓に入った水を慰霊碑にゆっくりとかけられました。これは「献水」といわれ、のどの渇きを訴えて倒れた戦没者を悼むものです。

次に訪問されたのは、島の平和祈念墓地公園。この場所で両陛下を出迎えた1人が、島民3世の西村怜馬さん(43)です。硫黄島に住んでいた祖母から戦争の話をよく聞かされたと振り返ります。

硫黄島の島民3世 西村怜馬さん
「(祖母の話で)艦砲射撃があり、みんなで家近くの防空壕に入って、すごくその時は怖かったんだと」

西村さんの祖父母は、アメリカ軍の上陸前に疎開していたため助かりましたが、祖父母それぞれの弟が軍属として島に残り、2人とも犠牲に。平和祈念墓地公園の慰霊碑には、2人の名前も刻まれています。

1994年に今の上皇ご夫妻が硫黄島を訪問された際、日程の都合で訪問できなかったこの場所に、きょう両陛下が訪れられたことについて。

硫黄島の島民3世 西村怜馬さん
「平和祈念公園という場所が旧島民の墓地があった場所。(両陛下が)訪問してくださるということで、忘れられていないんだという感覚になる。住んでいた人から色々なことを聞ける最後の代になると思う。聞いたことを記録して残しておきたい。硫黄島、世の中から忘れられることがないように…」

両陛下はその後、日米すべての戦没者を慰霊する「鎮魂の丘」を訪れたほか、西村さんら8人と懇談もされました。両陛下にとって初の訪問となった硫黄島。今夜には皇居に戻られる予定です。