20日未明、富山県南砺市で新聞配達中の男性がクマに襲われました。現場は、これまであまりクマの目撃情報がなかったところですが、食べごろの柿を求めて現れたようです。

警察によりますと20日午前2時ごろ、富山県南砺市北野で新聞配達をしていた38歳の男性が、配達を終えバイクに乗ろうとしたところクマに遭遇、逃げようとした際に右足をかまれ軽いケガをしました。

警察や猟友会がパトロールに当たり、クマは午前7時ごろ、男性が襲われた現場近くで駆除されました。

近くに住む男性:
「パーンパーン、軽いような音が2発聞こえました」

この男性は19日未明、車庫に車をとめようとしたところ、なにかに衝突。成獣ほどのクマ1匹だったということです。

近くに住む男性:
「あまりにも大きいクマだったもので、お子さんもここ通学される方が何人もおられるので、危害がないかと思って心配でした」

どうしてクマは山里まで降りて人を襲ったのか。「ねいの里」の赤座久明さんによると…。

ねいの里 野生鳥獣共生管理員 赤座久明さん:「(クマの)人身被害があったお宅の隣の屋敷にずいぶん大きな柿の木があるんですよ。実がたわわになっていて、そこは何回かクマが訪れていた、クマにとって快適なエサ場になっていたんじゃないかなという気がしますね」

実際、現場にはクマが柿を食べ散らかした形跡がありました。食べ物を求めて山を降りてきた可能性があるということです。

ねいの里 野生鳥獣共生管理員 赤座久明さん:
「毎年、柿の実がなっている以上は、クマの行動域に入るというふうな覚悟を、そういう前提で、いらない柿の木は除去しなければいけないと思います」

今回のクマによる人身被害の発生を受け、富山県はツキノワグマ出没警報を発表しました。紅葉狩りなどで山に入る機会が増えますので、熊鈴を使用するなど十分な注意が必要です。