突如もたらされた「トランプ関税ショック」。きょうも広がりを見せ、株価は一時、1400円以上値下がりしました。政府も対策に乗り出していますが、果たしてトランプ関税に有効な策はあるのでしょうか。

記者
「こちらに値動きを示すボードがあるのですが、多くの銘柄で下落を示す緑色が点滅しています」

トランプ関税の連鎖は、とどまることを知りません。

きょう、大荒れとなった東京株式市場。特に自動車や半導体関連の株が売られ、9割以上の銘柄が下落する全面安の展開になりました。午後、下げ幅は一段と拡大し、一時1400円以上値下がり。終値は節目の3万4000円を割り込み、およそ8か月ぶりの安値となりました。

きっかけは…

アメリカ トランプ大統領
「日本はアメリカの輸出品に46%の関税をかけている。車への関税などは、もっと高いとみなせる。我々は日本に24%の関税を課す」

トランプ大統領が発表した日本に対する24%の相互関税。さらに輸入自動車に25%の追加関税を発動しました。

その影響は日本企業に広がっています。

愛知県内にある自動車部品メーカー。こちらでは、トヨタが国内生産する自動車の9割以上に使われるエンジン部品などを製造しています。

旭鉄工 木村哲也 社長
「(追加関税25%が)長期化すると、当然、売り上げへの影響もずっと続く。収益的には、つらいものがある」

社長は関税の引き上げでアメリカに輸出する自動車の売り上げが減れば、自分たち部品メーカーにも影響が出る可能性を心配します。

旭鉄工 木村哲也 社長
「もう少し日本政府とアメリカ政府との折衝で低い関税になるといいなと思っていたが、それが裏切られた形になった」

トランプ関税で広がる不安。きょう、政府は…

石破総理
「国難というものにありましては、政府与党においてのみならず、野党の皆様方も含めた超党派で検討・対応する必要がある」

石破総理は与野党の党首会談を開き、「トランプ関税」に省庁横断で対応する関係閣僚会議を設置するとしました。

要望はさらに。

自動車業界のトップらは、自民党の部会で中小企業の資金繰りを支援するよう要請しました。

日本自動車工業会  片山正則 会長
「とにかくオールジャパンで、これに対処していこうと。まずは短期のところで、もし仮に資金的な部分が出てくれば、そこはぜひお願いしたい」

日本自動車部品工業会  茅本隆司 会長
「日本の中で、物作りが空洞化していくのが非常に怖い。ものすごく影響が大きいですよ」

今後、経済への影響はどうなるのか。専門家は…

大和証券日米株チーフストラテジスト 坪井裕豪氏
「世界的に例えば、関税に対する報復措置とかが広がってくると、景気への下押し圧力がかかってしまう。1回かかってしまった関税が、いかにして今後、軽減されていくのか、または撤回されていくのか、こういったところに尽きるのかなと」

来週には自動車に続き、さらに広範囲な商品に「相互関税」が発動されることになります。