日本の春の風物詩・サクラ。しかし、全国各地で老木となったり資金不足などで手入れが行き届かなくなったりして、保全が課題となっています。
そうした中、愛媛県松山市ではあるプロジェクトに参加しました。

松山城のふもとにある城山公園。こちらにはソメイヨシノなど7種およそ300本のサクラが植えられ、この時季、多くの人が花見を楽しんでいます。

(花見客)
「綺麗」
「孫たちと一緒に花見できると思わなかったので、すごく幸せな気持ちと、サクラがちょうど満開なのでいい日に来た」

ただ、園内のサクラは2つの問題に直面しています。

1つは老木化…

ソメイヨシノの寿命は手入れをしなかった場合一般的に70年から80年ほどといわれ、花が咲かなくなったり枯れたりします。

お堀周辺のサクラはおよそ80年前に植えられたものが多く、衰弱に悩まされています。

こうした中、公園を管理する松山市は、去年からあるプロジェクトに参加しています。

大手ビール会社のキリンビールが企画したもので、商品を購入すると1缶につき0・5円、または0・8円が寄付金として積み立てられ、プロジェクトに参加する自治体に分配されます。

また、専用サイトからも1日1回を上限に0・5円を応援したいまちに寄付できます。

去年、松山市にはおよそ85万円が分配され、それを活用し、公園のソメイヨシノ4本を植え替えました。

(松山市公園管理課 西本義明 主幹)
「市の予算も限られているので大変ありがたい」

もう1つの問題が…

(西本主幹)
「年々、維持管理する樹木も増えているので、段々難しい状況に」
「樹木に詳しい方も減ってきているので、人手不足というのは否めない」

人手不足もあり、手入れが必要なサクラを把握しきれていないのです。

そうした状況を踏まえ、プロジェクトでは今年から写真を撮るだけで桜の健康状態や樹齢を測定できる「桜AIカメラ」という取り組みも始めました。

判定には「とっても元気」から「気がかり」までの5段階あり、データは位置情報とともに、それぞれの自治体に届けられてサクラの保全に役立てられます。

(西本主幹)
「私たちが把握していないサクラもあるので、そういのも把握できれば」
「ずっと桜広場が満開の状態で、笑顔を作っていきたい」

みなさんも「守る」お花見に出かけてみませんか?