岡山理科大学の教授が高周波を出す装置で、野生生物による被害や事故を減らす研究を続けています。

その技術を使い、奄美大島などに生息するアマミノクロウサギの事故を防ぐプロジェクトが自動車メーカーなどとの連携で行われています。

(ANIMALERT プロジェクトムービー)
「世界遺産の奄美大島ではロードキル、つまり僕たちがクルマに轢かれる事故が増えているんだ」

鹿児島県の奄美大島と徳之島だけに生息する国の特別天然記念物、アマミノクロウサギ。

交通事故で死ぬいわゆる「ロードキル」は、ここ数年で大幅に増え、2023年は175件に上りました。生息数の増加も背景にあるとされますが、多くの命が失われる事態に、産学連携のプロジェクトが始まりました。

日産自動車の電気自動車に搭載されている歩行者に音で接近を知らせる仕組みを応用し、高周波を出し、ウサギに接近を知らせる実験です。

技術面や効果の検証などで協力しているのが岡山理科大学の辻維周特担教授です。

(岡山理科大学研究社会連携機構 辻維周特担教授)
「目の前にウサギが現れたときにスイッチをオンにして、8割方逃げてくれましたので、うまくいくんじゃないかなというふうに思いました。人間と野生生物との間を隔ててお互いの不幸な関係を極力減らしていきたい」