国籍や人種などの属性に基づき侮辱したり攻撃したりするヘイトスピーチ。県は先月31日、県内で初めてユーチューブ上の2本の動画をヘイトスピーチだと認定しました。
▼ヘイトスピーチに認定された動画「チュン公クンクン」「チャイナは帰れ中国へ」「腐った中国、さっさと帰れ。さっさと帰れ」
上海から来たという男性に対して「チャイナは帰れ」などと国籍でくくり、侮蔑的な言動を繰り返す、シーサー平和運動センターなどと名乗っていたものが投稿した動画です。
県は先月31日、このやり取りを含む2本の動画を不当な差別的言動=いわゆるヘイトスピーチにあたると認定し、動画の概要を公表しました。県のヘイトスピーチ認定と概要の公表は、おととし差別のない社会づくり条例が施行されて以降初めてです。
条例では氏名公表を定めていますが、動画投稿者が住所を明かさず本人確認ができなかったとして、県は氏名を公表していません。県は「不当な差別的言動は尊厳を傷つけ、差別意識を生むきっかけになりうるため決して許されない」とコメントしています。
県は弁護士や大学教授などの専門家で構成する審議会での審査を経て、「本邦外出身者を地域社会から排除することを扇動する不当な差別的言動」として認定しました。ただ今回、動画投稿者本人と連絡はとれていたものの住所を教えてもらえず本人確認ができなかったため氏名は公表されませんでした。
ヘイトスピーチを阻止する活動を続けている市民団体「沖縄カウンターズ」のメンバーからは、「再発防止につながらないのではないか?」と条例の実効性に疑問の声も上がっています。