熊本県の阿蘇広域消防本部は、保管中のガソリンを無断で使ったとして、50代の男性職員を停職処分としました。

3月31日付で停職2か月の懲戒処分を受けたのは、阿蘇広域消防本部の中部消防署で消防司令長を務める53歳の男性職員です。

消防本部によりますと、消防司令長は去年11月、中部消防署の油庫内で、夜間の緊急車両に使うガソリンから20リットルを抜き取り、自家用車に給油しました。

他の職員がこの場面を目撃して発覚しました。

消防司令長は「普段から忙しいにもかかわらず、この日も他の幹部からねぎらいの言葉もなく、無視されたことがきっかけだった。1回くらいガソリンを入れても罰にはあたらないと思った」と話しているということです。

また消防本部は、消防司令長がガソリンを私的利用するのを知りながら、指示を受けて油庫の鍵を開けたとして、中部消防署で消防司令を務める男性職員(51)も戒告の懲戒処分としました。

消防司令は「上司の命令だったので開けてしまった」と話しているということです。

阿蘇広域消防本部の宮﨑達信消防長は「住民の信頼を著しく失う行為。失われた信頼回復に全力で取り組む」とコメントしました。