中国でのスパイ行為を疑われ、懲役6年の実刑判決を受けた日中交流団体の元理事長。中国での刑期を終え先日、日本に帰国しました。
拘束の瞬間や取り調べの様子など、生々しい状況を私達のカメラの前で初めて証言しました。
■中国で“スパイ罪” 男性初証言

「人権なんかないですよ。人権なんてとんでもない」
「友達の話は涙が出てね。涙が出る」
中国でスパイ行為を行ったとして拘束された鈴木英司氏(65)。
拘束される1年前の2015年 、日中青年交流会の理事長として訪中団を出迎えていました。
当時、鈴木氏の体重は96キロでしたがこの6年間で70キロまで落ちました。その過酷な6年間をカメラの前で初めて証言しました。


■『お前が鈴木か』頑強な男に囲まれ…
自由は突然奪われました。
2016年7月15日午後3時10分、出張を終えた鈴木氏はタクシーで北京空港に到着。日本に帰るそのとき…

鈴木氏
「そこには頑強な男たちが5人おりました。私に対して『お前が鈴木か』という質問をしました」

5人の男に取り囲まれた鈴木氏。近くにはワゴン車が用意されていました。
鈴木氏
「私は『鈴木です』と質問に答えたら…答えるのが早いか、向こうが早いか。私をその5人の男が車の中に押し倒したわけです。私は『お前たちは何だ』と言ったら『北京市安全局です』と。『お前をスパイの疑いで拘束する』ということなんですね」
その後、鈴木氏は携帯電話とベルトを取り上げられ、目隠しをされたまま連行されました。

到着した場所は簡素な宿泊施設でベッドとテーブルとソファ、トイレもありました。ただ、通常の部屋とは違い、窓が黒いカーテンで閉ざされ、開けることは許されませんでした。
部屋の四隅には監視カメラが設置。そして、ソファーには…
鈴木氏
「2人ずつ、24時間4交代制ですね。朝昼晩と。2人でずっと見てます」