賠償金322万円が提示されるが


事故当時、この車は、横断歩道の手前で完全に停止していた。
過失はないため、男性は、修理の全額、または同じ車種が購入可能な賠償金を求めた。


その結果、加害者の保険会社から提示された金額は322万円。
30年前の中古車としては、十分すぎる金額と思えるが・・・。

(田中久泰記者)
「大手中古車情報サイトで、事故に遭った車種の相場を確認してみます」

この車種は、2014年から段階的にアメリカへの輸出が可能となり、国内での流通量が年々減少。
今では、入手困難なプレミアムカーとなっている。


(田中久泰記者)
「高い個体では1800万円を超えるものもあります」

大手中古車情報サイトによると、この車と同じ年式の平均価格は、2015年にはおよそ170万円だったが、現在は、およそ700万円にまで高騰している。



(被害者の男性)
「保険会社が提示してきた金額は、(実売価格の)半分に近いような、到底同じような車が買えるような金額ではない」


加害者の保険会社は専用ソフトなどを活用し、正しい時価額を算定していると主張。

しかし、提示された賠償額では車を買い直すことができないため、男性は、現在、加害者側を相手取った訴訟を検討している。


(被害者の男性)
「被害者感情を無視したマニュアル通りの対応なんだろうなと思いながら、非常に悲しい気持ちで話を聞いていた」


何らかの形で救済できるような制度がしっかりあれば


もらい事故で失った愛車のために現在もローンを支払い続けている男性。
理不尽な状況に大きな憤りを感じている。

(被害者の男性)
「あくまで(加害者となる)加入者を守る保険であって、被害者を守ってくれることはない訳で、もらい事故って『やられ損』だなとすごく思いますし、どうにかこういう交通事故の被害者が何らかの形で救済できるような制度とかがしっかりあればいいんだろうなと思いますね」


※MRTテレビ「Check!」10月17日(月)放送 「Check!調査班」から