ジャガイモのイメージが強い北海道も「干し芋」に参戦。“雪の力”で作る干し芋が人気になっています。

2025年注目の干し芋は?

美味しいだけでなく健康にもいいと、幅広い年代に支持されている干し芋。
そもそも、さつまいもには食物繊維やビタミンなどが豊富に含まれていますが、「干し芋」にすると食物繊維は約2.7倍に!カリウムやカルシウムなど他の栄養素も増えるといいます。

人気が過熱する中、「2025年注目の干し芋」を教えてくれたのは、日頃から全国のさつまいも農家に出向き“年間100キロ以上の干し芋を購入”する小松亜子さん。

「ほしいも品評会」審査員 小松さん:
「注目の1つは、北海道産の干し芋。干し芋生産量は茨城県が全国シェア約9割を誇っているけど、『北海道が本気出したら茨城県も危ないよね』って言ってる農家さんが実際にいる」

ねっとり甘い北海道の「雪干し」

北海道がアツい!?
ということで、『砂川ハイウェイオアシス館』(北海道・砂川市)をのぞいてみると、店内には干し芋コーナーも!

ポップには<雪で熟成させ、甘みと旨味がグッと増したさつまいも>と書かれ、商品には「雪干し」の文字が。

「雪干し」とは一体何なのか?美唄市の干し芋工場を訪ねてみると…

HBC北海道放送・堀内大輝アナ:
「なんか作業していますね、除雪?あっ!建物の中に雪をどんどん入れています」

重機などを使って大量の雪が搬入されているのは「雪倉庫」と呼ばれる部屋で、隣にある加工室とダクトでつながっているといいます。

『北海道スノーフード研究会』理事 本間弘達さん:
「雪倉庫から、雪の冷たい空気が入ってくる。“雪乾燥”と言って低温乾燥をしている」

一般的な干し芋は、乾燥させるのに約80℃の熱が必要ですが、「雪干し干し芋」は雪によって空気がすでに乾燥しているため、通常より低い温度でさつまいもを乾燥できるとのこと。
その結果、熱に弱い栄養素が分解されたり変色するのを抑えながら「ゆっくり甘みを凝縮して美味しい干し芋になる」そうで、そのお味は…?

堀内アナ:
「一般的な干し芋と…違う!噛むと“ねとっ”としたこの食感は、干し芋にはない食感かも。お芋の甘さがより強い気がします」

北海道が「干し芋」に参入なぜ?

現場で干し芋を製造する松田一伸さん(『雪のココロ』代表取締役)は「需要がすごくて、朝から晩まで作業してもらっている」とのことですが、そもそも北海道が干し芋業界に参入したのには、ある事情が…。

近年、北海道では温暖化により「さつまいも」の栽培が盛んになり、そこに着目したのがコメ農家。
「コメの収穫を終えた時期にさつまいもも収穫できる」と、栽培を始める農家が増え、北海道のさつまいもの生産量は【2022年:624トン】⇒【2024年:1907トン】(※概算値/ホクレン調べ)と、3年で約3倍に急増

そこに、土地や気候を生かした製法が加わり「干し芋」が進化を遂げているのです。