戦時中に起きた山口県宇部市の海底炭鉱、「長生炭鉱」の水没事故で、犠牲者の遺骨発掘に向けて排気筒内の障害物を取り除く作業が始まりました。
かつて宇部市の海底にあった長生炭鉱は、太平洋戦争のさなか、坑道の天井が落ち水没しました。
多くの朝鮮半島出身者を含む183人が犠牲になり、遺骨は、今も海底に残されたままです。
遺族への遺骨返還を目指して活動する市民団体は、きょう、炭鉱の排気筒「ピーヤ」内部の障害物を取り除く作業に着手しました。
4月、日韓のダイバー3人が「ピーヤ」から旧坑道に潜り、遺骨があるとみられる地点にたどり着けるルートがないかを探る予定で、ピーヤから旧坑道までの経路を確保するための作業です。

作業にあたった地元ダイバーによると、ピーヤと旧坑道が交わっているとみられる地点から障害物が3メートルほど堆積しているということで、きょうは数本の木材が取り出されました。

長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会・井上洋子・共同代表
「地元の人たちでここまで協力してくださるっていうことで、本当にありがたいなと思いながら見ていました。ピーヤから坑道までの経路が生きていてほしいなと本当に願っているところです」
来月の調査に向け、今後、地元ダイバーが除去作業を繰り返す予定です。