サイバー攻撃を未然に防ぐための法案の審議が国会で始まっています。導入されれば、政府が通信情報を監視・分析できるようになるため、プライバシーが侵害されないか懸念の声もあがっています。なぜ今、必要なのでしょうか。
去年末に発生した日本航空へのサイバー攻撃。国内では同様の被害が相次いでいて、生活に直結する“インフラ”への影響が日々、深刻化しています。
2000社以上の企業からサイバーセキュリティの委託を受ける会社を訪ねると…
GMOイエラエ 阿部慎司 執行役員
「これは実際の(日本への)サイバー攻撃を可視化した画面になります」
日本で被害が相次いだ去年末の同時期、わずか1分の間に、この会社が感知しただけでも600万回もの攻撃が行われた日もあるといいます。
現在の日本の法制度では、こうした攻撃の被害を抑える「壁」を作ることはできても、攻撃そのものを止めることはできません。このため、サイバー攻撃への対処には“限界”があると話します。
GMOイエラエ 阿部慎司 執行役員
「今の制度はあくまで、来た攻撃を防ぐみたいな目線なので。次こっちから、次こっちから、いたちごっこをするしかないですね、常に後手後手になっちゃうので。誰が何の目的で、何をやっているんだというところまでたどり着けない限りは、やはりかなり厳しい“防戦一方”の戦いを強いられるのかなと」
こうした現状を受け、今週、国会ではサイバー攻撃を未然に防ぐ「能動的サイバー防御」の導入に向けた法案の審議が始まりました。
この制度は、▼電気や鉄道などのインフラ事業者に被害が予測される場合、警察や自衛隊が攻撃元にアクセスして機能を停止させ、“攻撃を無害化”することが可能になるというものです。
法案はサイバー攻撃を事前に察知するため、“政府による通信情報の監視・分析を可能にする”といったものですが、この「監視」については懸念の声も…
日本維新の会 市村浩一郎 衆院議員
「憲法21条1項で表現の自由を保障し、2項で検閲の禁止と並んで『通信の秘密』の保障を規定。平時からの監視については、この『通信の秘密』を侵す懸念もあります」
共産党 塩川鉄也 衆院議員
「なぜ、個人の通信情報を政府が勝手に取得できるのですか。この法案は憲法が保障する『通信の秘密』、プライバシー権の侵害そのものではありませんか」
石破総理
「『通信の秘密』の尊重等につきましては、既に相当程度の措置が講じられているところで、政府といたしましては、法案の円滑なご審議をお願い申し上げるものでございます」
法案では、監視する通信情報から、▼国内同士のやりとりを除くほか、▼メールの本文や件名は対象とせずに、機械的に識別を行うなどとしていますが、実効性の確保などが今後の焦点になるとみられます。
また、サイバー攻撃に対する無害化を行う具体的な状況が示されていないことや、「海外に対する先制攻撃にあたるのでは」との指摘もあがっています。
政府・与党は早期に制度を導入したい考えですが、相次ぐ懸念に丁寧な説明が求められます。
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