福岡県西方沖地震唯一の犠牲者

2005年3月20日に発生した福岡県西方沖地震。

福岡市博多区の震度は5弱でしたが、調さんの家の前では高さ1.5メートルのブロック塀が幅5メートルにわたって倒壊しました。

一緒にいた友人の女性(当時75歳)がブロック塀の下敷きになり、搬送先の病院で死亡。

福岡県西方沖地震での唯一の犠牲者です。

調日出子さん
「振り返ったらワーと倒れて、それで全身隠れちゃったんですよ。助けてあげることができなかった」

「とにかく逃げて」

揺れの後、調さんはすぐに逃げたものの、友人はその場に伏せました。

そのわずかな差が明暗を分けたのです。

調日出子さん
「一番言えることは、もう自分のこととしてとにかく逃げて逃げて。逃げるのも安全な所に逃げる」

あれから20年。辛い記憶でも伝えたいと初めて体験談を語った調さん。

その話に真剣なまなざしで耳を傾けていたのは外国にルーツを持つ子供たちです。

調日出子さん
「おばあちゃんだけ生き残ったということは、皆さんに当時のお話をすることもおばあちゃんの役目だと思うの。やっぱり命を第一に何があっても生き抜かなきゃいけない」