総理の商品券 官房機密費使用は?20年ほど前の資料に「商品券312万」の記載が…

藤森祥平キャスター:
石破総理だけでなく、歴代総理にも商品券の問題は飛び火しました。

JNNの取材に対して各事務所側などは「法令の範囲内」「適切に処理をしている」としていて、実際に商品券を渡したか・渡していないか、はっきりした答えは返ってきていません。

▼石破総理
(商品券は)“慰労のためで違法性はない”

▼岸田事務所
(会合は様々あるが)いずれも法令に従い適正に行っている

▼菅事務所
(様々な方との会合の際に)手土産を差し上げたことはあるが、いずれも法令の範囲内で適正に行った

▼麻生事務所
国会議員との会合の性質に応じ適宜適切に処理

TBSスペシャルコメンテーターの星浩さんは「自民党の本質的な病で根深い」としています。

TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
恐らく、政権から政権に引き継がれているという訳ではなく、総理大臣の判断で商品券を配らずポケットマネーで出したというケースがあります。ここにきて官房機密費との関係がどうなっているのかという疑念がでてきました。きちんと説明していく必要があると思いますが、非常に根深い問題になっていると思います。

小川彩佳キャスター:
石破総理の説明としては、歳費の積み立て、親の資産、遺産などで蓄えたポケットマネーから支出し、官房機密費は使っていないということですが、どうでしょうか。

星さん:
実は、20年ほど前に明らかになった当時の官邸関係者による官房機密費の出納帳があります。私は当時、新聞社にいて大々的に「官房機密費」のことを報道しましたが、そこに「商品券312万」と書いてあります。

どうやら官房機密費から312万円ほどが「商品券」として支出されていて、これ以外のページもあるので、かなりの額なのではないかとされます。

このやり方がずっと続いているのか続いていないのか今後、相当大きな問題になってくると思います。

トラウデン直美さん:
官房機密費や、以前話題になった文通費にしても、使い道を明らかにしなくて良いお金が多すぎると思います。以前から大々的に報道されてきたというのに、未だにあるのはなぜでしょうか。

星さん:
2つありまして、石破さんも言っていますが、国民感情からズレている永田町の論理があるということです。

もう1つは、領収書が要らないお金は非常に使い勝手が良いので、何らかの形で温存したいという気持ちがまだ残っています。それが結局こういうことになって、発覚してくるということだと思います。

藤森キャスター:
今後の政権に影響しますか。

星さん:
一連の裏金問題はこういうふうに整理できると思います。

まず派閥の裏金があって、これは一部立件されました。続いて、自民党を中心に政策活動費がありましたが、これもマズいということで、廃止されることになりました。今回の商品券問題も、領収書なしでまかり通る一種の裏金で、さらに官房機密費も一種の裏金化しています。

有権者からすると「不明瞭なお金の流れはもういい加減してくれ」となっているのに、自民党は、そこに対する危機感が不十分だということだと思います。

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<プロフィール>

星浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
政治記者歴30年 福島県出身

トラウデン直美さん
Forbes JAPAN「世界を変える30歳未満」受賞
趣味は乗馬・園芸・旅行