ワクチンの“光と影” 取材を通じて見えてきたもの

一方で、ワクチン接種後に頭痛、胸痛、全身倦怠感、歩行困難など多岐にわたる症状を発症し長い間苦しんでいる、いわゆるワクチン後遺症の患者も多く、私は100人近くを取材し、また接種後に死亡した10人以上の遺族にもマイクを向けた。
国が接種後の健康被害による死亡として認定し、救済した事例は2025年3月17日現在で994件、今もそのことを公にできない遺族も多い。

もちろん、ワクチン後遺症の患者も同じだ。
声をあげれば、今なお「反ワク」という言葉で一括りにされ、誹謗中傷の対象になってしまうからだ。

コロナワクチン問題を3年半以上取材して気づいた反省点がある。
ワクチンのメリットばかりを伝え、副反応のリスクなどデメリットをほとんど伝えなかった責任は国、各自治体、そして我々報道にもある。
あまりにも情報が不足していたため、メリットとデメリットを両天秤で測ることができず、最終的に国やメディアの情報を信じて接種した人が多かったのではないか。

ワクチンの光ばかりが強調され、影の部分が十分に伝えられていないと感じている人は少なくない。
取材を通して見えてきた“影の部分”は、次にやってくるかもしれないパンデミックへの重要な教訓となることは言うまでもない。

志村けんさんの衝撃的な死から5年。時代はどのように変化したのだろうか?