アメリカ・トランプ政権のもと働くテスラのCEO、イーロン・マスク氏への批判が高まるなか、今週末も抗議活動が行われました。テスラの車や充電ステーションなどが荒らされる事件も相次いでいます。
15日、マンハッタンのテスラ販売店前に集まった200人ほどの人々。「政府効率化省」を率いるマスク氏が政府職員の大幅削減を強引に行っているとして抗議しています。
デモ参加者
「ごく少数の大富豪が権力を握ろうとしています」
「マスク氏はアメリカどころか、全世界で必要とされていないわ。でも、火星が呼んでいるわよ」
アメリカ トランプ大統領
「愛国者であることを理由に罰せられることはない。マスク氏は偉大な愛国者だ」
11日には、トランプ大統領が「テスラ」車の購入を表明し、マスク氏への支持をアピールしましたが、この日も全米およそ80か所でデモが呼びかけられました。
デモ参加者
「抗議は私たちの権利です」
デモ活動が続く一方、こんな事件も相次いでいます。
記者
「ショッピングモールにあるテスラの充電設備なんですけども、地面には焼け焦げたような跡が残っています」
今月初めにはボストン郊外のテスラの充電施設で不審火が発生。
別の場所では、車が燃やされるなど、過激な行為にまで発展しています。
イーロン・マスク氏
「テスラのサポーターや所有者などへの暴力が相次いでいて本当にひどい」
ボストン郊外で美容クリニックを営むシリア出身の医師、ジャルーシュさんも嫌がらせを受けたといいます。
ジャルーシュ医師
「わたしの車ですよ」
「テスラ」の人気車種サイバートラックです。去年購入し、車体にクリニックの広告を貼ったところ、ウェブサイトへのアクセスが5倍ほど増加。しかし、マスク氏がトランプ政権で目立つようになると、ある変化があったといいます。
ジャルーシュ医師
「子どもと一緒に車に乗っているときに怒鳴られたり、中指を立てられるなど恐ろしい目にあうようになりました。“ナチス野郎”と書かれたシールを車に貼られているのを妻が見つけた時は本当に恐ろしくなりました」
クリニックにも脅迫の電話やメールが相次ぎました。家族からサイバートラックの運転をやめるよう懇願され、広告をはがして裏手に駐車することにしました。
シリア出身 ジャルーシュ医師
「私はシリアで内戦を経験しました。国民同士で傷つけあってはいけません。意見が異なるなら伝えればいいのです。暴力的になって隣人を痛めつけてはいけないのです」
一時は“車の売却”も考えたというジャルーシュさん。テスラのユーザーとしてこんな注文もしています。
シリア出身 ジャルーシュ医師
「政治とビジネスを同時に行うことはできないと思います。テスラブランドを傷つけています。しばらく(マスク氏は)テスラから離れればいい。腹を据えるべきです」
政治とビジネス、いずれの世界でも賞賛と批判を浴びているマスク氏。この現状をどのように打開するのでしょうか。
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