10メートル以上ある竹の上で白狐が様々な技を披露する長崎市の若宮稲荷神社の秋祭り『竹ン芸』が14日から始まりました。
3年ぶりの奉納、親子で初共演する家族の姿を追いました。

この日を待ち望んでいたかのような青空に、白狐が舞います。

200年以上の伝統がある『竹ン芸』が若宮さんに帰ってきました。
奉納のための稽古は、わずか4日間。
しかし、コロナ禍で3年ぶりの奉納。
はやる気持ちと緊張感とが入り混じっています。

竹ン芸保存会 後藤清輝会長:
「完全にコロナも終息したわけではないので、早くコロナ禍前の状態に戻るように願いを込めてですね」

新人で、女狐をつとめる山中翔さん。
おととしデビューするはずでしたが、2年持ち越しとなりました。
33歳の新人です。

山中翔さん:
「ようやくデビューできるなっていうのが日に日にですね」
地元・伊良林で生まれ育ちましたが、出演歴はなく、子狐をつとめる2人の息子と一緒に演じたいと思ったのが門を叩くきっかけとなりました。

長男・龍斗くんは2歳から子狐をつとめていて今年で4回目。
次男・優斗(ゆうと)くんは2回目の出演です。
竹ン芸歴では先輩の息子たちに、負けない演技をしたい!

長男 龍斗くん:「失敗しないように」
翔さん:「はい(笑)」
3年ぶりの『竹ン芸』幕開けです。

山中翔さん、初回の奉納でデビューすることに。次男・優斗くんも一緒です。
白狐は、お稲荷様のおつかい。
優斗くん、勢いよく竹にのぼり演技できました。

女狐・翔さんの登場です。
数年越しの夢がようやく叶います。
男狐を招きます。
竹ン芸ならではの祭り囃子に浮かれて、狐たちが戯れます。

山中翔さん:
「やっぱ上までのぼっていったら気持ちいいもんで、とても楽しく芸ができたかなと思います」
男狐が縁起物の鶏を放つと、いよいよクライマックスです。

『天の逆鉾』
お客さんのハラハラも最高潮です。
『谷渡り』

観客:
「来てよかった待ち遠しかったです」

観客:
「一生懸命拍手で応援させて頂いて、これからも長く続けばいいなと思います」

竹ン芸保存会 後藤清輝会長:
「もうみんな笑顔でですね、なんかもう待ってました!みたいな感じでほんと良かったんじゃないかと思います。もう改めてやっぱりこの伝統芸能をきちっと引き継いでいかんといかんなという気持ちになりました」

『竹ン芸』は、14日午後8時から2回目の奉納が行われ、15日は、正午、午後3時、8時の3回行われます。
15日午後3時の奉納では山中さん親子3人が揃って出演する予定になっています。
子どもたちが先輩、そして新人のお父さん。息のあった演技が楽しみですね。