裁判長「身勝手な犯行、正当化の余地なし」

11日、福島地裁郡山支部で開かれた判決公判で、下山洋司裁判長は「犯行は非常に危険なもので、被告は鍼灸院の予約時間に間に合わせるためと述べているが、予約した時点で高速で車を運転しなければ間に合わないことが分かっていたことからすると、違法な高速運転をする状況を自ら作り出したといえる。動機は身勝手で犯行を正当化する余地はない」と厳しく非難しました。

また「自らの運転技術を過信し、交通ルールを軽視する身勝手な考えが見て取れ、被告が通常の運転感覚とかけ離れた無謀な運転を続けた挙句に引き起こされたものといえる。死亡した男性の遺族や、重傷を負った妻の強い処罰感情も当然のことといえ、犯行は軽い部類に位置づけられるとは到底考えられず、相応に重い責任を問われるべきといえる」としました。

そして、「被告は罪を認め反省と謝罪の言葉を述べているが、自信の運転の危険性について十分理解しているかは疑問を感じざるを得ない」とした一方で、「被告の家族が監督し、その生活を支える旨を誓約したことなどの事情も踏まえ考慮する」として、懲役8年の実刑判決を言い渡しました。(求刑は懲役9年)