海底の砂に含まれる「リン」によってサンゴの白化が進む傾向があることを研究チームが発表しました。海底のリンの増加は陸域での「人間活動の影響が高いと推定される」としています。
3月7日、北里大学や琉球大学などの研究チームが会見し、石垣島の沖合にある日本最大のサンゴ礁海域「石西礁湖」の31地点で白化状況などを調査した結果を発表しました。
その結果、海底の砂に含まれるリンが多いほどサンゴの密度が下がり、白化が進む傾向がみられたということです。
リンの濃度が高かった地点は農畜産業が盛んな地域やエビの養殖による排水がある沿岸域に多かったことから、人間活動による影響の可能性が高いと推定されるということです。
研究チームによると、サンゴ礁の白化についてはこれまで、海水温の影響の調査はあったものの、陸から海へ流れ込む有機物などの影響に関する調査はありませんでした。
研究チームは、「より効果的なサンゴ保全策を陸域で実施するための科学的根拠が得られた」として、今後の研究につなげる方針です。