2025年の賃上げどうなる? 二極化への対処が課題か

齋藤キャスター:
では、2025年の賃上げはどうなるのでしょうか。

あす12日は、春闘の集中回答日です。▼連合の約2900の労働組合の平均(2025年の要求集計)では、賃上げ率6.09%、月額1万9244円アップを要求するそうです。

そして▼300人未満の中小企業(約1900の組合)では、賃上げ率6.57%、月額1万7667円アップを要求するそうです。

賃上げを実感できるのはいつなのかについて、加谷さんは「この数字をクリアできれば、給料が上がったという実感はでてくるだろう。しかし、一部の中小企業では実感がわかないという二極化が進むのでは」と話します。

井上キャスター:
一刻も早く中小零細企業に賃上げが波及してほしいと、切に願います。

「政府の政策で賃上げを進めてもらいたい」という話がよくありますが、給料は民間が決めるものだと考えると、政府は何がどこまでできるのでしょうか。

経済評論家 加谷珪一さん:
今、石破政権は動き始めています。不当な買いたたきや、古い商習慣で異常に低い利益を余儀なくされていた中小企業については、きちっと公正取引委員会が「大企業さん、ある程度ちゃんと払いましょう」と指導できます。

給料は最終的には民間が決めますが、適正な競争が維持できるようなところに持っていくところまでは、政府の役割としてアリではないかと思います。

井上キャスター:
中小企業の利益の部分だけが割を食うのはおかしいと、政府はストップできるということですね。

元競泳日本代表 松田丈志さん:
正しい競争が働く状態になってほしいです。

大企業がこれだけ業績がいいなか、その下に紐づく下請け企業がたくさんあるわけなので、そこにはちゃんと利益の還元をしなければいけません。企業側も、正しい交渉ができるテーブルに乗っていくことが大事なのではないかと思います。

井上キャスター:
2024年からずっと「賃上げどうなる」「賃上げ今年こそ」となっていますが、加谷さんはどういう展望でしょうか。

経済評論家 加谷珪一さん:
今は結構いい数字が出ていて、おそらく企業側も必要性はわかっていると思うので、それなりの結果が出るのではないかと思います。

あとはやはり、二極化で格差が生まれるところをどう対処していくか。そこに焦点が移っていくように感じます。

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<プロフィール>
加谷珪一さん
経済評論家
元日経BP記者 著書に「貧乏国ニッポン」
中央省庁などへのコンサルティング業務も

松田丈志さん
元競泳日本代表
五輪4大会出場 4個のメダル獲得
JOC理事 宮崎県出身 3児の父