■「#働く天使ママ」で悲しみ・悩みを共有 「次はいつ妊娠できるの?」思いがけない言葉も

SNSを通してつながった藤川さんと星野さんは2021年、働きながら赤ちゃんとの別れを経験した「働く天使ママ」の支援グループを立ち上げました。
9月に2人は横浜市との共同事業として当事者に向けた座談会を開きました。悲しみや悩みを話しやすいよう、1回の参加者は5人ほどに限定しています。

座談会でつらい体験を打ち明けた、流産を経験した秋山さん。職場は8~9割が男性です。
秋山さん
「会社の人も気を使ってくれるけど、相談することにエネルギーが必要だった。時には涙を流しながら電話先で…」
流産した際にどう休めばいいか会社側も知らず、当時は有給休暇を使って休まざるを得ませんでした。

秋山さん
「大切な人を亡くした気持ち、忌引き休暇を取っていいくらいの気持ちで。『次はいつ妊娠できるの?』とか本当に思いがけない言葉を投げかけられた。たぶん疑問に思ったのでしょうけど。寄り添ってもらえなかった」
■周りの人はどう接する?励ましではなく見守る姿勢が必要
心に傷を負うのは女性だけではありません。男性も同じです。次男の死産を経験したばかりの夫婦も座談会に参加していました。夫は1週間会社を休みましたが…

死産を経験 座談会に参加した男性(30代)
「気持ちの整理は1週間だと全然つかないので。男性に対しても心のケアが必要になってくると思う」
職場などで周囲の人はどう接すればいいのか。専門家はこう指摘します。
静岡県立大学看護学部長 太田尚子教授
「グリーフ(悲しみ)は長く続きます。人にもより個人差が大きいですが、数年単位で続くと言われています。すぐに何かしようということではなくて、励ますのではなく、見守り、共にいますよという姿勢ですね」

星野さんたち当事者が現状を伝え続け9月末、働く女性の健康に関する厚労省のサイトに流産や死産などについてのページが新たに追加されました。
星野さん
「流産死産は女性にとっては体もダメージ受けているし、心もダメージを受けているので、取らなければいけない休暇もあるし、その人の体調とかに合わせて柔軟に働けるようにっていう意識や認知度が社会に広がれば、自然と優しい職場になっていくのではないか」
■悲しみは人それぞれ・・・流産・死産による療養を導入する企業も
小川彩佳キャスター:
取材した柏木記者は取材を通して、どんなことを感じましたか?

柏木理沙記者:
悲しみにどう向き合うかは、本当に人それぞれだと感じました。「話を聞いてほしい」という方もいれば、「できる限り言いたくない」と言う方もいて人それぞれです。専門家も指摘していますが、例えば妊娠の週数が早い・遅いは悲しみの深さに関係なく、人それぞれだということが取材をして分かりました。
働く女性の5人に1人という割合で流産をした経験した方がいるという調査結果もあるということは、自分自身はあまり関係ないと思っていても職場で身近な人にも起こりうることだと、頭のどこかに知っているということも重要なのかなと思いました。
国山ハセンキャスター:
そんななかで「#働く天使ママ」という言葉も生まれているのだと思いますが、例えば企業などが休みを導入するなど事例はあるのでしょうか?

柏木記者:
まだ多くの企業というわけではないですが、例えばアステラス製薬は産後休業のなかで「妊娠4か月未満の流産・死産による療養のため必要な場合、2週間~3か月休暇取得できる」と明記されています。
小川キャスター:
深い悲しみのなかにいる方が、それ以上の負担を強いられることがないような環境・制度があってほしいというふうに感じます。

10月9~15日は「ベイビーロス アウェアネス ウィーク」ということで、赤ちゃんを亡くした家族への理解や支援を広めようという国際的な啓発週間です。まずは、知ることから。














