自宅で生活したいと願う高齢者を支える訪問介護。しかし今、多くの事業者が経営に苦しんでいます。

そんな中、利用者のために奔走するヘルパーを追いました。

■訪問介護…苦境の事業所

足の指の間まで丁寧に洗っているのは、佐藤郁子(さとう・いくこ)さん(70)。

道東の厚岸町の訪問介護事業所「おはなさん」の代表取締役です。

・訪問介護事業所「おはなさん」佐藤郁子 代表取締役(70)
「おはなさんとは長いもんね。長い付き合いだよね」

・利用者の男性(72)
「うん、7年目かい」


ホームヘルプステーション「おはなさん」の事業所を立ち上げたのは、18年前。

夫と娘、60代と70代の従業員の合わせて5人で、利用者約20人を訪問介護しています。

この日は、朝8時前に事業所を出発。途中、除雪が行き届いていない山道を通り、車で走ること約30分。

一軒目の家に到着です。

・佐藤郁子さん
「おはようございます!」


1人暮らしをする92歳の男性。薬を飲むのを忘れがちなため、佐藤さんが気遣います。

・佐藤郁子さん
「(Q.いつもどれくらい品数を作る?)1回に7品」

・佐藤郁子さん
「(今回の利用者さんは)みそとか好き。みそ汁を必ず自分で作っている」

・利用者の男性(92)
「うちの家内の実家がみそを作るところだった。だからみそだけは何も不自由しなかった」


手際よく料理を済ませると、次はお風呂を磨き、さらに部屋の隅々まで掃除機をかけます。

・利用者の男性(92)
「やっぱり助かる。元気なうちは1人でもやったが、92歳になったら大変なこともある」