■引け目を感じることが多いけど 受け入れてあげる場所を


福原さんの日々を彩る趣味のひとつが、クライミングです。いまでは週に3~4回、汗を流しています。同じ障害のある人にも楽しさを知ってほしいと定期的に教室も開いています。


(福原さん)「どのくらい見えていますか?」
(参加者) 「私はすりガラス」
(福原さん)「視野は?」
(参加者) 「視野はあるけど見えない」

この日参加したのは、福原さんとは違う見えにくさを抱える女性です。それでも、福原さんだからこそできるアドバイスでサポートします。


(福原さん)
「いま僕が左の足を踏んでいるところを、バランスが悪いと思ったら右足に踏み替えます」

(参加者) 「右足がない…」
(福原さん)「いまこっちに来たんです」


見えにくくても、全身を使って感じる喜びがクライミングにはあるといいます。


(参加した女性)
「楽しかった。足場を探ってどこかなってところが」


(福原隆行さん)
「視覚障害があると引け目を感じることも多いですけど、クライミングジムというのは行けば登る場所があったり、誰かが受け入れてくれるような場所だと思っています」


声かけなどサポートしようという気持ちは、日々の生活にもつながるといいます。

(声かけ)
「左!左!それ!ガンバ!」


(福原隆行さん)
「『足、もうちょっと右よ』とか、自然とそういう声かけができるっていうのは、例えば横断歩道を渡るときに『青ですよ』と自然と言ってもらえたりとか。そういう社会になればいいなと」


人それぞれに見えにくさが違い、社会の理解も依然低い弱視。それでも、クライミングでルートを探すようにしっかりと人生を模索し続ける福原さんです。