山口県周南市出身の写真家・林忠彦の業績をたたえ、優れた写真集に贈られる「林忠彦賞」に鶴巻育子さん=東京=の「ALT(オルト)」が選ばれました。

33回目の林忠彦賞を受賞した東京都の鶴巻育子さんは、国内外のストリートの写真や視覚障害者の目線でみた写真などを撮影しています。受賞作品「ALT」には、視覚障害者の姿やその人たちが見える世界を写真で表現しています。

受賞作品は視覚障害者の目線で撮影したもので「人は影になる。どちらを向いているかわからない」という鶴巻さんの言葉が寄せられ代表作になっています。また「色がなくなった。今は緑色。」という言葉がよせられた作品は、視覚障害者の色の見え方を写真で表現しています。

藤井律子・周南市長
「この作品は目で見ることがすべてではないということ、また見るとはどういうことかを私たちに問いかけているように思います」

81点の応募のなかから選ばれた鶴巻さんは「光栄でこれからも『見えること』への探究を続けていきたい」とコメントしています。

受賞を記念した写真展は、周南市美術博物館で4月26日から5月11日まで開かれる予定です。