長野市でかつて「町のお豆腐屋さん」として親しまれていた店が、市内のスーパーの一角に復活しました。

慣れた手つきで豆腐を作る塚田芳郎(つかだ・よしろう)さんと妻の千代(ちよ)さん。

長野市で90年近く続いた豆腐店「塚田五六商店(つかだごろくしょうてん)」を営んでいました。

塚田芳郎さん:
「五六亭の木綿豆腐はつるっとしたものが売りだった」

かつては大きな工場をかまえ、1990年代には1日1万丁もの豆腐を生産。

専門店の「五六亭(ごろくてい)」には多くの種類の商品が並んでいました。

しかし、売上の減少などから2024年、閉店しました。

塚田芳郎さん:
「引き際が一番大事、だめだと思ったから閉めた、ただそれだけ」

塚田芳郎さんと千代さんは、2月から長野市のスーパー「TOMATO食品館」で総菜作りを始めました。

千代さん:
「お客様からも残念がっていただく方が多かったので、いつか復活させようと悲願は持っていました」

材料となる豆腐は当然、手作り。機械なども当時のままです。

塚田芳郎さん「どうしても愛着があってさ、この機械に」毎朝7時すぎから2人で10種類ほどの総菜を作っています。

主力の「おぼろ豆腐」はツルっとした食感が特徴で、塩気のきいた餡が豆腐の味を引き立たせます。

売り場の一角にはかつての店で掲げられていた「五六亭」の看板が。市民の思い出の味が帰ってきました。

塚田芳郎さん:
「期待に応えられたことが一番大きいかな」

夫婦二人三脚での挑戦はまだ続きます。

千代さん:
「新しいメニューにもチャレンジしてみたいです」

塚田芳郎さん:
「食感を豆腐に対して一番重要視している。自分がウンと言う食感を最後まで追求したい」