被災地の今を見つめるシリーズ「つなぐ、つながる」です。東日本大震災の津波で児童らが犠牲になった宮城県石巻市の大川小学校。この学校で妹を亡くした女性が制作した映画が劇場公開されています。一度は封印したいとさえ思った作品の公開を経て、次の目標に向かって歩む女性の姿です。
先月から宮城県内の映画館で2本の映画が公開されています。いずれも東日本大震災をテーマとした「春をかさねて」と「あなたの瞳に話せたら」。
制作したのは、石巻市大川地区出身の映画作家・佐藤そのみさん(28)です。
映画作家 佐藤そのみさん
「震災と私との関係性をどうしたらいいのか、常に考え続けてきた」
そのみさんは津波で、児童・教職員84人が犠牲となった大川小学校で妹のみずほさんを亡くしました。
小学生の頃から大川を舞台に映画を撮りたいという「夢」を持っていたそのみさん。被災した後もその思いは変わりませんでした。
映画作家 佐藤そのみさん
「(妹には)四苦八苦している私を見て笑ってほしい」
大学在学中、地元で2つの作品を撮影しました。作品の一つ「春をかさねて」は、震災で妹を亡くした女子中学生の繊細な心の動きを描きました。「あなたの瞳に話せたら」では、家族や友人を亡くした子どもたちの心境をありのまま描きました。
映画を見た人
「震災のことを知って、自分も命を大事にしたいと思った」
実は当初、震災をテーマに映画を撮ることに迷いがあったと言います。
映画作家 佐藤そのみさん
「悪いことをしているみたいな気持ちもあった。ここで頑張らないと次に進めないとも思っていた」
完成した後も作品を「封印」しようと考えましたが、依頼を受け、全国で自主上映を重ねるうちに、気持ちに変化がありました。
映画作家 佐藤そのみさん
「東北で震災を経験していない人たちにもいろいろな形で楽しんでもらえる作品だと、ようやく客観的に見られるようになってきた」
そんなそのみさんは去年、新たな短編映画を完成させました。震災とは別のテーマ。新たな挑戦です。
映画作家 佐藤そのみさん
「撮影中は生きてきて一番幸せだった。この瞬間が二度と来ないのはつらすぎると思ったので、また映画を撮れるように頑張りたい」
あの日からまもなく14年。次の夢に向かって歩んでいます。
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