通夜や告別式などの葬儀で誰もいない家を狙って空き巣などに入る“おくやみ泥棒”。3月1日に80歳で逝去されたみのもんたさんの自宅にも、亡くなった翌日に何者かが侵入していたことが分かりました。

「おくやみ欄」とは? 番地まで住所が書かれることも

齋藤慎太郎キャスター:
おくやみ泥棒が横行しています。

2024年9月、3人組の窃盗グループが逮捕されました。茨城など北関東を中心に、約7年間で88件の窃盗の疑いがあり、被害額は合わせて1億1600万円相当だったということです。新聞社が掲載している「おくやみ欄」を悪用し、留守宅を割り出して侵入していたといいます。

そもそも、おくやみ欄とは一体どういったものなのでしょうか。

ある地方紙では、毎日1面におくやみ欄を掲載しています。故人の名前・年齢、死亡日、役職、自宅住所、喪主、それから葬儀の日時・場所などが掲載されており、住所は番地まで書かれている場合もあるようです。

では、なぜこのような欄の掲載が始まったのでしょうか。

地方紙の担当者によると、連絡が取れなくなってしまった友人・知人などに、訃報を幅広く伝えられるからだそうです。葬儀社などを通じて掲載依頼をされ、原則無料だといいます。

井上貴博キャスター:
確かにそういうメリットはあるのでしょうが、学校の名簿すらなくなり、個人情報にこれだけうるさい時代に…と思ってしまいます。

元競泳日本代表 松田丈志さん:
あくまで依頼をもらったうえで載せているというところはあると思います。僕の地元では、子どものころから親が毎日のようにおくやみ欄を見ていました。

今となっては僕が東京にいるので、たとえば昔お世話になった人が亡くなったことを親がおくやみ欄で知り、僕に連絡してくることもあります。今でもニーズというか、実際に使っている方は多いのでしょう。

ホラン千秋キャスター:
ご高齢だと、日頃からスマートフォンなどを使って連絡を取り合っているかというと、そうでもない方も多いと思います。

おくやみ欄は、コミュニティの中でどういった状況になっているのかを知るための重要な欄だとは思いますが、これが悪用されることが信じられない感じはあります。

井上キャスター:
実際、おくやみ欄で初めて知り連絡を取って、式に参列することは普通にあるのでしょうか?

元競泳日本代表 松田丈志さん:
僕は式に行けなかったらお花を贈るなどしていますが、地元の人たちにとってはおくやみ欄から友人・知人に広まり、告別式やお通夜に行くというのはよくあるパターンです。