自然の力を活用して川辺の環境の再生を目指す取り組みを四万十川流域で導入する参考にしようと、国際的なシンポジウムが高知県四万十市で開かれました。
『NBS』とは、『Nature Based Solution』の略で、“自然の力を活用して河川や水辺を再生する”取り組みです。高知県内ではこの『NBS』を四万十町にあるショウガの農場が湿地帯を整備するため導入しています。

4日、四万十市で開かれた『四万十川NBS国際シンポジウム』には国内・海外から専門家や研究者らが参加しました。このうち生態系総合研究所の小松正之代表理事は四万十川の現状について、水質が悪化していることや生態系の力を活用するなどして防災を図っていく考えが一般的になってきたことなどを語りました。

また、『NBS』を専門に扱うアメリカの企業の技術者は、四万十川の支流にある堰を無くすことで水の流れが促され魚の移動などが回復して水質が良くなるという考えを示しました。

さらにトンボと自然を考える会の野村彩恵さんはトンボの種類が減るなど生態系の変化が見られ、人の手を加えて生息地を整備しないと環境を維持できないと主張しました。『四万十川NBS国際シンポジウム』は5日も四万十町役場で開かれます。
