アメリカのトランプ大統領との会談が決裂したウクライナのゼレンスキー大統領がイギリスを訪問し、スターマー首相と会談しました。

ゼレンスキー大統領は1日、ロンドンにある首相官邸を訪れ、スターマー首相と会談しました。トランプ大統領との会談決裂を受け、当初の予定を1日前倒ししたとみられています。

イギリス スターマー首相
「イギリスはウクライナを全面的に支援しています。そして、必要な限り、あなた方を支持し続けます」

ウクライナ ゼレンスキー大統領
「イギリスの皆さんが、侵攻当初から多大な支援をしてくれていることに、感謝申し上げます」

ゼレンスキー大統領は2日にチャールズ国王と謁見することを明らかにし、「大変うれしく思う」と述べました。

会談は、トランプ大統領の時とは対照的に和やかな雰囲気で行われ、首相官邸の周辺にはウクライナ国旗を持った人など多くの市民が集まりました。

イギリスメディアによりますと、スターマー首相は、トランプ大統領とゼレンスキー大統領の会談が行われた先月28日の夜、双方と電話会談していて、仲裁を試みた可能性があるということです。

ゼレンスキー大統領は1日、SNSに、アメリカへの感謝の言葉とともに、トランプ大統領との会談について、「厳しい対話だったが我々は依然戦略的なパートナーだ」などと投稿。「トランプ大統領の支援は不可欠だ」とし、「アメリカとの強固な関係が実現することを願っている」と書き込んでいました。

また、イギリス政府はウクライナに対し、ロシアの凍結資産を活用して22億6000万ポンド、日本円でおよそ4270億円の追加融資を行うことを決め、合意文書への署名が行われました。

追加融資についてゼレンスキー氏はSNSに、「資金はウクライナの兵器生産にあてられ、防衛力を強化する。戦争を始めた者こそが代償を払うべきでこれが真の正義だ」と投稿しました。

2日には、ゼレンスキー氏も出席し、ヨーロッパの首脳らによる会議が開かれ、ウクライナの和平に向けた取り組みや、ヨーロッパの安全保障などについて話し合われる予定です。