宮城県の三陸沿岸では、復興土地区画整理事業での空き地が目立っています。なぜ土地の利用が進まないのか。来年で東日本大震災から12年となる中、津波で被災した土地を利活用する難しさが見えてきました。
■実現しない「それ」とは?
「寂しいもんだね」そう語るのは、気仙沼市の松崎片浜地区で自治会長を務める三束廣さんです。自宅前の風景に複雑な思いを抱いています。
松崎片浜地区 三束廣自治会長:
「それが来れば買い物が楽になるなと期待していた」

三束さんが「それ」と話すのは、自宅前で誘致が計画されている商業施設のことです。今も実現していません。

震災前785人が住んでいた松崎片浜地区。震災後ほとんどの住民が、他の地域に移り住みました。

気仙沼市がこの地区の復興土地区画整理事業に着手したのは2019年。跡地に市有地と民有地が混在していたことから、商業利用のためには、区画整理をして新たに土地を造成する必要があったのです。


しかし、土地ができた後も商業施設誘致の目途は立たず、建物が一軒もたっていないのです。