26日、石垣港に寄港した米軍の艦船。寄港は3年連続で、自衛隊の艦船も同時に寄港する初の事態となりました。政府は日米の連動を否定していますが、専門家は「両政府の方針通りの動きだ」と指摘しています。
26日、石垣港のクルーズターミナルに寄港した米海軍のドック型輸送揚陸艦「サンディエゴ」。その横には海上自衛隊の訓練支援艦「くろべ」が並んで停泊し、さらに石垣空港には米軍機も飛来する今までにない事態となりました。
国際政治に詳しい沖縄国際大学の野添文彬教授は、中国の軍事力増強の動きを念頭においた「アメリカから中国へのメッセージも含まれている」と分析します。
▼沖縄国際大学 野添文彬教授
「台湾有事などが起こるかもしれないという動きの中で、石垣島には空港もあり港もあり、地理的にも米軍にとって極めて重要な拠点になります。平時から寄港するなど、そういう動きをとることによって中国に対して、いざとなったら自分たちも対応できるんだということを示す、一種のシャドーボクシングをお互いに繰り返し、お互いに牽制しあっているというのが、いま行われているんだと思います」
中谷防衛大臣は25日の会見で、今回の日米艦船の入港について「連動したものではない」とした一方、揚陸艦のカーター艦長は、「米海軍と海自の関係はかつてないほど強固なものになっている」と述べ、連携を隠そうとはしていません。
▼沖縄国際大学 野添文彬教授
「『連動していない』とは、あまり言葉通りには受け取れないと思います。これまでずっと、南西諸島に自衛隊が配備されたり、米軍が訓練したり、そういう延長線上にある出来事だと思います」
野添教授は今回の同時寄港といった動きは、日米地位協定のもとで問題があるわけではないとしながらも、政府には情報開示や説明を尽くし、地元の不安を解消する責務があるとしています。